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気が付けば、日本における第一次データサイエンティストブームから6年、人工知能ブーム開始から3年が経ったようです。意外と言っては何ですが、これまでのところ人工知能ブームも、そしてそれにブーストされた形で起こった第二次データサイエンティストブームも、まだまだ続くどころかどんどん加速していきそうな状況です。
なのですが、これだけ統計学や機械学習のような高度なデータ分析技術がビジネスの現場に浸透するようになった現在でも、なぜかあまり多く見かけないものがあります。それは「機械学習(もしくは自動化された統計分析)によるビジネス上の成果を数値として示したもの」。意外かもしれませんが、個人的な観測範囲では例えば「Deep Learningを導入したら〇〇がXX%向上した」みたいなリリースや記事を見かけることは、正直なところ思った以上に少ないように思われます。それでも第一次データサイエンティストブームだった2013-14年頃はそういう事例記事を時々見かけましたが、最近はあまり見ない気がします。
それは単に、ビジネス的な競争力の根幹に関わる部分なので各社ともひた隠しにしているだけなのかもしれません。もしくは、もしかしたら実は世の中機械学習を導入しても特にビジネス上のプラスのインパクトがない事例ばっかりなのかもしれません。さもなくば、そもそもビジネス上のインパクトを「効果測定」して「数値評価」する枠組みを整えていないだけなのかもしれません。もしそうであるならば、これほど勿体無い話もないと思うのです。
第一次データサイエンティストブームから6年、そして人工知能ブーム開始から3年が経った今、データ分析業界がやるべきは「統計学や機械学習やデータサイエンスでビジネス上の価値を数値評価できる形で出せた」という「成功事例」をもっと世に出していくことだと個人的には考えています。言い換えれば、そろそろ「論より証拠」の時期であろうと。そこで、そういう「効果測定」「数値評価」の方法としてどんなものがあり得るかを大雑把に論じてみようと思います。
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