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先日、こんな話題を見かけました。
【夏なので怖い話】
— ゆうな (@kawauSOgood) 2019年8月14日
こないだ、いかにもエリートな男性と知り合ったんですよ
彼は年収1000万で飛ぶ鳥を落とす勢いのデータサイエンティストだっていうじゃないですか
それでふとAICの話題を持ちかけたんです
「あー現実であまり使わない数学の話はわかりません」
…おわかりいただけただろうか?
で、悪ノリした僕はこんなアンケートをやってみたのでした。
データサイエンティストという肩書きで年収1000万円以上の高給取りが、知らなかったとしても許される項目はどれですか
— TJO (@TJO_datasci) 2019年8月15日
このアンケート結果こそが、今回の記事を書こうと思ったきっかけです。ある程度知識のある方ならお分かりかと思いますが、ここで挙げた「AIC」「正則化」「EMアルゴリズム」「カーネル法」のいずれも、基本的にはデータサイエンティストであれば「常識」の範疇に属する事項でしょう。特にAICは故・赤池弘次先生が発明した世界的にあまりにも有名な情報量規準であり、少なくとも僕がデータサイエンティストに転じた2012年頃だとステップワイズ法と併せてモデル選択で用いるべき「常識的な」指標だったと記憶しています。それが意外にも28%の人たちから「知らなかったとしても許される」扱いされたということで、個人的には大いに驚いたのでした*1。
勿論言うまでもなく、世間一般では時代が移り変われば「常識」は移り変わっていくものとされます。同じように、データサイエンティスト(そして機械学習エンジニア)にとってもまた「常識」というのは時代とともに移り変わりゆくものなのだな、というのが上記の結果を見た時の僕の感想でした。その意味で言うと、このアンケートの結果は色々な説明や解釈が可能なように見えますし、その裏側には少なくとも僕が見てきた日本のデータサイエンティストブーム・人工知能ブームの7年間の歩みが確かに横たわっているようにも感じられます。今回は、そんな「常識」の変遷について僕個人の見聞と体験の範囲で簡単に論じてみようと思います。狭い範囲の見聞談&体験談なので、抜け漏れや誤認識があればどしどしご指摘くださいm(_ _)m
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