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六本木で働くデータサイエンティストのブログ

元祖「銀座で働くデータサイエンティスト」です / 道玄坂→銀座→東京→六本木

2015新卒就活戦線におけるデータ分析者候補生争奪戦を眺めてみて

(※このエントリで述べている内容はあくまでも業界全体の状況を表す一般論であり、弊社をはじめどこか個別の企業を指したものではありません)


最近は技術系のネタばっかりなので、たまにはデータサイエンティスト(死語)にまつわる与太話でもしてみようかと思います*1。キャリア談義系与太話と言えば、この時期にふさわしいのはやっぱり今春の新卒就活戦線ネタですかね。


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よくよく考えると、昨年7~8月期に「データサイエンティスト」が大ブレークして以降最初の新卒採用期が実は今春の2015新卒対象採用なわけで、実際問題として結構な影響があったのではないかと思ってます。ちなみに僕も2回ほど弊社の新卒データ分析者採用イベントに出てまして、今春の状況というか「雰囲気」は何となく感じていた次第です。


急速にデータ分析者候補生の「スキル採用」が普及した


今年特に目立ったのがこれですねー。割と色々な企業で採用審査時にコーディング試験を課したとか、中にはデータ分析課題を課したところすらあるとも聞いています。


それから、割と耳にしたのが「データハッカソンand/orデータ分析コンペで好成績を収めた候補生を採用した」という例。特に今春に関して言えばかなり早い時期からそれらの実績に基づいた「データ分析分野における注目の就活生」の情報が出回っており、特にIT企業*2・web系企業を中心とする企業群では早々に取り合いに発展するケースがあったとか。。。


ついでに書くと、やっぱりこの辺の「就活生のスキル採用」に打って出ていた企業としてはやはり新興系のIT企業・ネット企業が目立ちましたね。昨年まではソシャゲ各社に限定的な動きだったようですが、今年の流行で言えばアドテク系各社の動きが顕著でしたね。そして案の定、伝統的大企業はあまりそういう動きを見せなかったように聞いています。今後もデータ分析者候補生は、動きの鈍い伝統的大企業を尻目にIT企業・ネット企業・アドテク企業がしばらく独占し続けるのではないでしょうか。


データ分析者コミュニティで強くアピールしていた就活生に注目が集まった


もう一つのポイントとしては、上記のような展開になることを予期した就活生の側が、むしろ就活戦線の幕開けに先駆けてそこかしこのハッカソンやコンペに馳せ参じて、企業側のアピールとなるべく実績を積もうというアクションに出るケースが逆に目立ったところでしょうか。実際、それらで勝ち取った受賞歴や表彰歴を就活の場でアピールする就活生は少なからずいたと聞きます。


TokyoR / TokyoWebmining以下今や雨後の筍の如く全国各地で開催される、データ分析関連セミナー・勉強会への積極的なコミットや講師発表といった形で、実績をアピールする就活生もいたみたいですね。


その意味では、ベイエリアにおいてKaggleで好成績を収めてtech系企業にキャリア採用で売り込むデータ分析者たちよろしく、日本のデータ分析者志望の就活生たちもどんどん自らの努力でアピールしていこうという姿勢を強めていると感じます。


中にはCRANパッケージを自ら作成して公開したり、もちろんGitHubで自作コードを公開したり、もしくはKaggleにチャレンジしてその順位と奮闘ぶりをアピールしたり。。。そういう就活生が増えてきているようです。


インターンなどでデータ分析者候補生を囲い込む企業が増えた


これも今年は目立ちました。もちろん弊社も開催しましたし(笑)、某前職でもやってましたし*3、他にも何社かで同様の試みがあったのを見聞しています。


何でそんなことをするのか?というと理由は簡単で、実は多くの企業にとってデータ分析者候補生という枠を設けて新卒採用するのは今春が初めてだったりするので*4、できるだけ多くの候補生たちとのチャンネルを確保しておくというのが至上命題なのです。


ちなみにこの辺はソシャゲ各社やアドテク各社の方が活発なようで、優秀そうな就活生さんに限って「○○社でインターンやってます」みたいな話を聞くことがままあったり(笑)。今年はデータ分析関連のインターン元年ということで限定的だったという印象ですが、次年度以降は増えるのではないかと思ってます。


純粋に学術的にスキルが高いと見込まれる就活生への注目も増した


意外かもしれませんが、実はこれが今季の新卒採用における最大の特徴かもしれません。例えばですがNIPS / KDD / ICML / ICDMといった名立たるトップカンファレンスでの発表歴があるとか、発表はしてないにせよ共著などの名目で参加はしていたとか、そういうアカデミックなデータ分析の世界でのプレゼンスのある就活生への注目も集まる傾向があったようです。


同じ流れで、通常なら新卒就活戦線ではあまり見かけない博士院生*5の姿がちらほら目立ったという話も聞きます。僕が出た採用イベントでもそういう博士院生の人たちと実際に会って話をしたものです。これには「データ分析に注目が集まる今なら(アカデミアだけにとらわれずに進路を選ぶ)チャンス」という博士院生の側の動機もあるのでしょうが、企業の側がそれだけ彼らのアカデミックなスキルに着目していて採用する姿勢を見せていることに呼応しているという側面もあるのでしょう。


そういう意味では、少なくとも僕が出た2回の採用イベントだけでも「データ分析コミュニティに拠点を置いてスキルをアピールする学部・修士の就活生たち」と「アカデミックなコミュニティに拠点を置いてスキルをアピールする修士・博士の就活生たち」という構図が出来上がっていて、なかなか面白かったという印象があります。


実際に、博士院生を採用する企業が増えているのは事実なので*6、こうした動きはこれからも強まっていくだろうというのが僕の観測です。


で、来年は?


何度でも言いますが、データサイエンティストはオワコンになってもデータ分析カルチャーは今後も日本のビジネスシーンに浸透し続けるし、その潮流を担うデータ分析者は今後も必要とされ続けます。その候補生として、新卒就活生たちがこれから採用されていくであろうことは確実だと見ています。


むしろ、今年の収穫をもとに来年のデータ分析者候補生採用がどのように変わるか?に僕個人としては興味がありますね。それはきっと、向こう1年間におけるデータ分析カルチャーの浸透ぶりから占えるんじゃないでしょうか。そこを、今後もしばらくウォッチしていこうと思ってます。

*1:ってか最近忙し過ぎて全く与太話記事とか書いてる余裕なかった

*2:ただしSIerを除く

*3:現職ではないということでURLは例示できませんごめんなさい

*4:その意味では以前からデータ分析者候補生採用をやっているソシャゲ各社は有利だったかも

*5:しかも中には中退しての就職を目指すケースも

*6:これはあまり明るみには出ていませんが調べてみれば分かることかと