渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ

元祖「六本木で働くデータサイエンティスト」です / 道玄坂→銀座→東京→六本木→渋谷駅前

「データサイエンティスト」というか"Data Scientist"になりたかったら、英語が出来なきゃダメかも?

「また煽り記事書きやがって」と怒られそうな気しかしないんですが(笑)、最近とみに感じるようになってきていることなので備忘録的にちょっと書いてみます。あ、今回も僕の個人的経験と見聞に基づくポジショントークみたいなものなので、話半分でお願いします。


とりあえず日本国内では「データサイエンティスト」は終わった感あり


先日の記事英語版の記事でも書きましたが、残念ながら「データサイエンティスト」という肩書きは日本では定着しなさそうな勢いです。Googleトレンドもこう↓言ってますし。


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面白いぐらい順調に、昨夏のピーク以降は右肩下がりで検索数が減っていってます。個人的にはもっと地道にデータサイエンティストというコンセプトが広まってくれたらなぁと思っていたんですが*1、まともな実態を伴わないまま大手メディアがブームを煽りまくった反動で、日本国内のIT業界や統計学機械学習業界から「そんなものは幻想だ」と猛反発食いまくればいかんせん仕方ないですねー。経緯が経緯なので、今後もV字回復するようなことはないと思います。


で、それと同時にかつてHBRが提唱したような「いわゆるデータサイエンティスト」的なデータ分析人材の募集も、日本国内では減っている感じがします。少なくとも「統計学機械学習も分かってビジネスのことも分かる歌って踊れるスーパースター」みたいな人材を求める採用広告は見なくなったと思います。「そんな奴日本国内にゃおまへんで、何言っとるのかアホー」みたいな雰囲気が出てるのかなぁと。


代わりに求められているのは右肩成長中の「アナリティクス」


あれ?データマイニングは?とか思ったんですが、そう言えばデータマイニングエンジニアの募集って最近あまり見ないですね。既存の人員でどこも間に合うからなんでしょうか。


代わりにどこでも採用が拡大しているのが、何だかんだで「アナリスト」です。要は「アナリティクス」が出来る人材ということで、例えばGoogle Analyticsが使いこなせるとか、Excelでサクサク色々テクニカルな集計ができますとか、可視化バリバリできてレポーティング得意ですとか、そういう感じの人々が求められているようです。僕のところにもそういう求人案件はよく飛んできます。僕は集計が苦手なのでたとえ大金積まれても断りますが(笑)。ちなみにGoogleトレンドで見ても、「アナリティクス」は右肩上がり成長の真っ最中ですね*2


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典型的な仕事と言えば、最近バズってたITmediaの記事とかが好例ですかね。これまたIT業界や伝統的な統計学機械学習業界では馬鹿にされまくってましたが、実際にビジネスの世界で歓迎されるのはこういう感じの「見た目に分かりやすくてシンプルな集計レポート」なんですねこれが。この手のアナリストとアナリティクスに関連する業界は、今後も伸びていくと思います。


一方でグローバル市場では"Data Scientist"は右肩上がり成長


ところがところが。日本語カナで表される「データサイエンティスト」は完全に退潮傾向ですが、グローバル市場における"Data Scientist"は一向にそんな気配を感じさせません。Googleトレンドで見ても、以下の如く。


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2013年4月期に何かがバズったのか猛烈なピークを迎え、その後落ち込んではいるものの、ベースラインとしては確実に右肩上がりのまま成長し続けていますね。採用活動という点でも、KDnuggetsなどに載る大手グローバル企業の募集広告の他にも、TwitterやLinkedInに溢れ返るUS / EU現地の中堅企業系のData Scientist募集の広告は未だに増え続けています。僕も未だにLinkedIn経由で山ほど勧誘を受けてます。いや、もちろん全く応じてませんが(笑)。


日本国内外問わずグローバル市場の"Data Scientist"になる→英語出来なきゃダメかも


で、その中には日本国内に拠点を持っているグローバル企業のData Scientist or something like that募集も結構な数が混じってます。その具体的な内訳はここではちょっと書けませんが、肩書きはともかくいわゆるData Scientistに属するような資格&スキル&経歴を求めるものがかなり目立つように思います。ちなみに、僕が以前書いた「アルゴリズム実装系」「アドホック分析系」の比重で言うと、ちょうど半々ぐらいのスキルセットを求めるところばかりのような。


それは良いのですが、どこの求人であっても重要な条件があります。「ビジネスレベルの英語(英会話)ができること」「英語でドキュメントが書けること」来ましたよ、これー。ちなみにグローバル企業のR&D系ポジションだと、中途採用の2次選考以上は英語で話すのが当たり前だし*3、普通に英文のrecommendation letterを3通要求するところが多いです*4


特に、グローバル企業のデータ分析部門は多くの場合日本ローカルではなくグローバル管轄であることが多いので、世界中に散らばる拠点間で連携しながら業務をこなすことになるケースが多いみたいです*5。もちろん、英語で頻繁にテレカンしながら仕事するわけです。


そんなわけで、日本では退潮傾向の「データサイエンティスト」ではなく、グローバルで右肩上がり成長中の"Data Scientist"になるなら、英語が出来なきゃいけませんよー。という身も蓋もないお話でした。ということで、お後がよろしいようで。。。

*1:でなきゃこんなブログ書いてないし(笑)

*2:日本語で「Googleアナリティクス」って書かれてるからじゃないかとも思いますが(笑)

*3:書類が1次、2次は電話、3次=最終が対面というのがグローバル標準

*4:某G社に前職の部下が行った時は実は僕がそのうち1通を書いた

*5:少なくとも3社ではそうだと直接聞いてます