私事ですが、本日をもって株式会社サイバーエージェントを退職しました。
正式には6月30日が退職日なのですが、本日が最終出社日*1なのでサイバーの同僚の皆さんと(同僚として)お会いするのはこれで最後です。
思えば、アカデミックなキャリアから民間企業キャリアに転じようと決心し、昨年の6月1日にサイバーに入社して以来、本当に色々なことがありました。
そもそも実はその正式な入社日以前から、12新卒エンジニアたちに混じってJava研修を受けさせてもらったり、その12新卒の彼らから物凄いカルチャーショックを受けたり(笑)*2、よくよく考えたらアカデミアでは一番の若手だったのにサイバーでは最年長レベルだと気付いて萎えたり*3、正式入社の直後にビッグサプライズがあったり*4、右も左もわからないうちに渋谷ラボ(当時)の室長を任されたり*5、突然外国人が半数以上の技術委員会の委員を引き受けることになったり*6、今までエンジニア経験ゼロだったのにいきなりHadoopエコシステムの運用の一部を任されて本番環境へのコミットまでやることになったり*7、出し抜けに社内の別部門から「専任のデータサイエンティストとしてぜひうちに来てほしい」とオファーが飛んで来たり*8、そしてついにエンジニア部門を離れマーケティング部門に移ってデータサイエンティストとして働くようになったり*9。。。
冗談でも何でもなく、サイバーでの1年間は「1ヶ月が1年に感じられる」くらい、ものすごく濃密な時間を過ごしてきたと感じています。思い出を書き出したら、もはやキリがないほどです。若くて意欲に溢れる人が多く、自由に伸び伸びと何でもやらせてもらえ、ありとあらゆる物事が超速で進んでいくスピード感の中で働けるサイバーエージェントという企業で、IT業界人としての第一歩を踏み出せたのは幸運だったと思ってます。そして今や「あのサイバーエージェントのデータサイエンティスト」と色々な方々から呼んで頂けるまでになったことは、僕にとっては光栄であり誇りでもあります。
ただ一方で、もはやアラフォーに近い僕としてはそろそろ人生設計を考えていかなければならず、お決まりのパターンですが大きな買い物*10をすることに。。。そこで、問題になるのが収入です。今のサラリーは決して悪くないのですが、1)今後子供ができて産休・育休を取ったりしてどちらか片方が無給の時期が生じたら持ち堪えられない、2)そもそもアカデミアを離れたことで旧育英会の奨学金の返済も始まる*11、3)単純に今まで苦労をかけた嫁さんにはもっと楽をさせられるだけの収入があった方が良い、ということで転職の可能性を考え始めたのでした。
もちろん迷いに迷ったんですが、「サイバーに残って地道に積み上げる」か「昨今のデータサイエンティスト・ブームに乗って勝負に出る」*12かを天秤にかけた結果、「残ってどれほど最速で積み上げたとしても自分が年老いていくペースを考えたら間に合わない」*13ということで、最終的に後者を選ぶことに。
なお、この時にvirtual products(ソーシャルもしくはゲームなど)を扱い続けるのか、前々から興味を持っていたreal products(例えばeコマースとか広告とかメディアとか)を手掛けてみたいか?という葛藤もありました。これもまた、後者を選ぶ理由に。。。
そして、転職活動を始めてからしばらく経った5月の半ば頃に納得のいくオファーが得られたことで、サイバーを退職しようと決断したのでした。
正直言って、まだやり残していることが沢山あり、多くの方々から期待してもらってきたにもかかわらず、愛着のあるサイバーを去るのは断腸の思いですが、幸いにも多くの方々から温かい激励の言葉をいただくことができ、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
戦略マーケティング会議の皆さん、マーケティンググループの皆さん、コミュニティデータ部門の皆さん、今はなき渋谷ラボの皆さん、秋葉原のAmeba Technology Laboratoryの皆さん、ゲーム部門データ分析チームの皆さん。皆さんと一緒に働いたことは貴重な経験であり、僕がデータサイエンティストとして成長していく上で大きな糧となりました。本当にありがとうございました。
12新卒エンジニアの皆さん。君たちと一緒に若者のふりをして(笑)*14あの鬼軍曹の方々の鬼特訓を受け、多くのスキルを得たのは、僕にとっては今でも大きな財産になっています。本当にありがとう。
旧NBU(アメーバ事業に吸収合併されたスマホアプリ事業部)以来の同僚の皆さん。皆さんと一緒に働きながら、僕は遅れてやってきた「企業人一年生」として、色々なことを学ばせて頂きました。仕事の進め方、企業で働くということの意味、それこそ憂さの晴らし方(笑)などなど。。。本当にありがとうございました。
サイバーテニス部の皆さん。久しぶりのテニス実業団リーグへの参戦に当たり、一周りほど歳も違う上にだいぶ腕も勘も鈍っていた僕を戦力として数えてもらい、飲み会などの席でも存分にいじってもらえたのは大変うれしかったです。本当にありがとうございました。
人事部門の皆さん(特に採用関係の皆さん)。データサイエンティスト候補採用ということで協力させて頂いたにもかかわらず、肝心の僕が先にサイバーを去ることになってしまい、本当に申し訳ない限りです。来年以降入社してくるデータサイエンティスト候補の皆さんには、ぜひこのブログを見て勉強するように(笑)勧めてあげて下さい。よろしくお願いいたします。
入社以来3回オフィスを移動しましたが、その時々に同じフロアにいらした多くの皆さん。僕のユルい働きぶりに色々とご迷惑をおかけすることもあったかと思いますが(笑)、オッサン企業人一年生には皆さんと一緒に働くことで学ぶところが非常に多かったです。本当にありがとうございました。
日本語ブログなのであまり見てない人が多いかもですが、僕の下手な英語に付き合って色々教えてくれた外国人の同僚の皆さんへ。僕のいつものincomplete, broken & developing Englishで失礼。
Dear guys (including some guys already moved away):
I've been supported by your great kindness and friendship. In particular, you guys friendly let me know how to be "genuinely global", what the genuine global standard is, how actually Silicon Valley is and you sometimes encouraged me when I got disappointed. Even you kindly advised me on my next move and allowed me to touch some private stuffs kept secret from Japanese people... all of you are the best friends for me. Thanks a lot, great guys!! Let's stay in touch and have a drink together or "a reunion of CA good guys" someday soon!!
そして誰よりも何よりも、CTOの佐藤真人さんに感謝しないわけにはまいりません。たった一度きりの採用面接*15で初めてお目にかかって以来、本当に何から何まで大変良くして頂きました。入社後の半年間渋谷ラボを任せて下さり、Hadoopエコシステム運用にも「将来そのスキルが絶対に役に立つから」と鶴の一声でエンジニア未経験の僕を加えて下さり、異動の相談にも親身に乗って下さいました。真人さんにお会いしなければ、そして真人さんの下で働くことがなかったら、思い切ってアカデミアを離れたかどうかも分からず、ましてや今のデータサイエンティストとしての僕はなかったことでしょう。このご恩は生涯忘れません。本当に、本当に、ありがとうございました。
7月からは、株式会社リクルートコミュニケーションズ*16にて、引き続きデータサイエンティストとして働く予定です*17。昨年10月にリクルートからサイバーに来られた畏友にしてWebデータ分析の伝道師・小川卓さんと完全に入れ替わりの形になったというところに、何か運命の悪戯を感じますね。
サイバーの皆さん、短い間でしたが大変お世話になりました。本当にありがとうございました。競合でもなく*18むしろ関係の深いところ*19に転じることになりましたので、web上でも、またリアルでも*20、これからもお付き合い下さればありがたいです。そして、会社が変わってもまたぜひ一緒に飲みに行きましょう*21!FBでもTwitterでもLINEでもメールでも何でも結構ですので、ぜひ誘って下さい!
最後になりましたが、7月以降このブログのタイトルも少しだけですが変わります。引き続きこれからもどうぞよろしくお願い申し上げます!
*1:残年休消化&バカンスのため
*2:サイバーのあのカルチャーですよ!
*3:大半の社員の皆さんより社長の方が歳が近いという
*4:これは現在も機密事項につき開示できません笑
*5:2012年12月末に解散しました、残念
*6:まさかサイバーで英語「だけ」の会議を延々とやることになるとは想像だにしていなかった
*7:恥ずかしながらバージョン管理とか覚えたのもこの頃
*8:この時は受けなかった
*9:これが現在の所属です
*10:定番ですが(笑)、詳細はご想像にお任せします
*11:実は僕は最後の免除職世代です
*12:ヘッドハントのオファーはデータサイエンティスト・ブームの影響でここ半年くらい毎日毎週のように舞い込んできていて、断るのが面倒なほどでした
*13:給料が安いのではなく大きな買い物が高過ぎたんですねこれが。。。
*14:彼らに研修の最後まで実年齢を悟らせなかった僕の勝利です笑
*15:真人さんの採用面接のたった1回でオファーをもらったのでした
*16:2012年10月に株式会社リクルートの本社が株式会社リクルートホールディングスへと移行し、本体事業部門を7つの事業会社&3つの全社機能会社に分社化した際の機能会社の1つ。要するに「リクルート」です
*17:僕がオファー提示を受けたサラリーの額に興味のある人もいるかと思いますが、あくまでも「前職からサイバーに移った時の伸び率をさらに上回る伸び率」であったということだけをお知らせしておきます
*18:実は競合他社(G社、D社、C社…)の話をヘッドハンターが持ってきた時は全て問答無用で断ってました
*19:そもそも重要取引先同士です笑
*20:勉強会や講演会などなど
*21:転職の経緯などはさすがにweb上のどこにも書けないので、酒の席で僕から直接聞き出して下さい(笑)