渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ

元祖「六本木で働くデータサイエンティスト」です / 道玄坂→銀座→東京→六本木→渋谷駅前

グアムに行ってきました

Hafa Adai!!*1


6月中旬、夏至のちょっと前にグアムに行ってきました。コロナ禍以降これまで全く海外に行っておらず、また昨年5月にDVT(深部静脈血栓症)に罹ってから*2は飛行機にすら乗っていなかったので、その両方を今回ようやく解禁したという次第です。


行き先をグアムにした理由は幾つかあるんですが、1つ目は飛行機で4時間未満しかかからず「海外としては極めて近い」ということ。2つ目は時差が1時間しかないということ。3つ目は「南の島でゆっくりしたかった」ということ。1・2番目は主にDVT*3を慮った結果なんですが、3番目に関しては10年前にも行ったサイパンでも良かったんですよね。ただ、サイパンは今でも直行便が少なく不便なのに対して、グアムの方が直行便が多くて尚且つ我が家ではまだ行ったことがなかったので、今回はグアムを選んだのでした。


ということで、我が家としては事前に期待した以上にグアムが気に入ったということもあり、今回のグアム訪問で気付いたことや今後の渡航時に備えて覚えておきたいことなどの備忘録として、そして後述する台風被害からの復興途上にある観光地グアムを応援するメッセージとして、ここに旅行記を書いておこうと思います。ただし我が家は決してグアム通というわけではなく*4、もしかしたら間違ったことや事実誤認を書いている可能性もありますので、その際は是非ご指摘くださると有難いです。


ちなみに「旅行記」は海外旅行(含出張)に行った時しか書かないカテゴリで、思い起こせば実に3年5ヶ月ぶり。そして前回の旅行記は、2020年1月中旬に訪問したシンガポールのもの。記事中でも書いていますが、実はこの時点でシンガポールでは既に新型コロナウイルスの感染拡大が始まっていたとされているので、本当にギリギリのタイミングでのコロナ禍前最後の海外渡航だったんですよね。


グアムは、バカンスに必要なものが「一通り全て」ある南の島



以前に何度か旅行記を上げているのでこのブログをご愛読いただいている方々にはお馴染みかもしれませんが、我が家はどちらかというと「ハワイ派」だったんですよね。なのでもっと近場で小ぢんまりとしている印象のあるグアムにはこれまであまり食指が動かなかったんですが、今回初めて現地に行ってみて印象が変わりました。それは、色々な意味で「バカンスの要素が一通り全て揃っている」南の島なのだな、と。


即ち美しいビーチ、ラグジュアリーで施設の充実したリゾートホテル、多彩なアクティビティ、現地ならではのグルメ、ショッピングを初めとした街歩きスポット……といったものが、コンパクトに全て一つの島に収まっているという感想でした。勿論我が家は今回タモン・タムニンしか回っていないのでその範囲のことしか見聞きしていませんが、この2地区だけでも存分にバカンスを味わえたという実感があります。出発する前に色々な人から「ミニ・ハワイですよ」と聞かされていたんですが、まさにそういうイメージです。


ちなみに10年前にお隣のサイパンに行ったことがあるのですが、そちらは良く言えばローカル感満載、悪く言えば「田舎」の島で、リゾートホテルとビーチを除くとあまり見どころがなくてちょっと寂しいところだったんですよね。その代わり北太平洋では屈指の、実に素晴らしいラグーンがある島なので、そちらを目当てに訪れるのが正しいのだろうと思っています。


6月のグアムは雨季だが日差しが非常にキツいので、帽子と日焼け止めが必須


一応グアムは1-5月が乾季、6-12月が雨季ということになっていて今回は雨季の訪問だったわけですが、熱帯地方あるあるの「雨季といっても基本的にはいつも晴れている」例に漏れず、我々の滞在中のグアムでは僅かな例外を除いてずっと晴れていました。というと「いや熱帯の雨季だとスコールが凄いのでは」と言われそうですが*5、今回の滞在中は2,3回ぐらいパラパラとにわか雨が降ってきた程度で、少なくとも雷雨に遭遇したことはありませんでした。


なので基本的には雨具の心配はグアムでは無用で、むしろ日除けの方が何倍も重要です。今回の滞在中のグアムでは、とにかく強い日差しが非常にキツかったです。2日目の昼前に運動を兼ねた散歩のつもりでタモンから後述のPremier Outletsまで5.5kmほど歩いたんですが、あまりの炎天下にダウンする寸前でした(汗)。そもそも北回帰線付近に位置するグアムでは、夏至の前後は正午になると太陽が「本当に真上」辺り、下手をすると北側に昇ってくるんですね。なのでハワイ辺りで想像する日差しとは明らかにその「威力」が異なります。10年前の夏至サイパンでも体感したのと同じように、「真上から照り付ける日光に炙られている」感が半端ないです。


故に、熱中症を防ぐためにも日除けが必要です。ただし日本と違って日傘を差している人は誰もいなくて無駄に目立つだけなので、帽子を被ると良いでしょう。日本から持参しなくても、そこら中にあるABC Storesで売っています。


また、それだけ強烈な日差しが降り注ぐのでいとも簡単に日焼けします。僕は昔から日焼けには強い肌質なので油断していたんですが、2日目の午前中にビーチとプールで何気なく日に当たっていただけで物の見事に全身真っ黒になりました(笑)。ということで、日焼け止めはビーチに出る時に限らず、外出する際には必ず塗りましょう。嫁さん曰くでは「この日差しだとSPF50でも1時間に1回塗り直すくらいでないと焼けてしまう」とのことだったので、特に女性は多めに日焼け止めを持って行くか、ABC Storesで現地の強力な日焼け止めを買うかした方が良いかもしれません。


タモンビーチは果てしなく遠浅なので小さな子供連れには最高


今回のグアム旅行では後述するようにDusit Thani Guam Resortに泊まったんですが、その目の前にあるタモンビーチは想像以上に素晴らしいビーチでした。何が素晴らしいかというと、とにかく透明度が高い。偏光サングラスをかけていると波打ち際を泳いで駆け抜けていく小魚たちの群れがはっきりと見て取れますし、そこかしこに横たわるナマコたちの姿すらはっきり分かるくらいなんですね。


そしてもう一点良いと思ったのが、とにかく波が穏やかで遠浅なこと。タモンビーチは珊瑚礁のリーフが沖合数百mまで続いているんですが、干潮時だとそこまで普通に歩いていけるんですね。しかもその水深がとにかく浅い。干潮時ならどこまで行っても大人の膝下ぐらいしかなく、満潮に近い時でもせいぜい大人の腰ぐらいまでしかないのです。おまけに波が穏やかというか、ほぼ「無い」。陸側から卓越風として拭き続ける東風が立てる波の方がよほどはっきりしていて、波が逆流していくという不思議な光景すら見られます。そんなわけで周囲を見ていると未就学児ぐらいの小さなお子さんを遊ばせている家族連れが多かったんですが、納得です。小さな子供連れの家族には最高のビーチだと思いました。


グアムのビーチは他のマリアナ各島同様「サンゴから出来た白い砂浜」で、非常に粒子が細かいです。先述のようにタモンビーチは遠浅で沖合までズブズブ歩くことが多いんですが、素足で歩くのは石やナマコに当たったりして色々不都合が多いです。他の体験記によると「ビーチサンダル以外の履き物があった方が良い」ということで、今回嫁さんが用意して行ったのがビーチソックスでした。


これは確かに便利で、ある程度足を海岸や水中に転がっている様々なものから守ってくれる一方で、履いたまま海に入ってもビーチサンダルと違って脱げてしまうこともないんですね。個人的にはクロックスのストラップ付きでも良いかもと思いましたが、いずれにせよビーチサンダル以外の「水の中で脱げない履き物」があった方が便利だと思います。


なお、小学校高学年より上のお子さんがいるご家庭ではグアムだと海が浅過ぎて面白くないということになるかもしれないので、タモン以外のより水深の深い別のビーチか、お隣のサイパンをお薦めしておきます。サイパンのラグーンだと上の写真*6のように水深1m程度の浅い海が沖合の堡礁までずーっと続いているエリアが幾つもあって、シュノーケリング以下色々なアクティビティが楽しめます。


ホテルはビーチの目の前のところが良い




今回我々が泊まったのはDusit Thani Guam Resort。タイ資本の大手ホテルチェーンがグアムはタモンビーチに構える大型リゾートホテルです。予約した嫁さんの「朝食などにあまり気を使わなくて良いように」という取り計らいで29階客室に泊まるクラブ・オーシャン・フロントのプランを選択したのでした。


これはホテルの上級会員であるDusit Clubの特典をそのまま使えるプランで、最上階30階のクラブラウンジを使えるというものだったんですが、生憎と滞在期間中はずっとクローズされていたのでその代替プランとして朝食に3階のレストラン "Aqua" のビュッフェを使わせてもらえたり、夕方に1階ロビーフロアのラウンジでビールなどを貰えたり、というサービスを受けることができました。





なお最終日の朝になってようやくクラブラウンジがオープンしたので、朝食だけ堪能してきました。とりあえず眺めは良かったです(笑)。Aquaほど朝食のメニューのバリエーションはないので、単純に朝食という意味ではAquaに振り替えの方が良かったかもしれません。




客室は非常に綺麗かつ広かったです。29階と高層階にもかかわらずバルコニーに出られて、美しいタモンビーチの眺望を楽しめるのも個人的にはプラスでした。


しかし、何よりもやはりタモンビーチの文字通り目の前の立地で、敷地内のプールから歩いて0分でビーチに出られるのが良かったですね。おかげさまで5年ぶりの海水浴を存分に楽しめましたし、帰国する日の朝も気軽にビーチに出て散策することもできました。先述したようにグアムでどのホテルに泊まるかは完全に目的次第だと思いますが、ビーチとリゾートを楽しみたければやはりビーチの目の前に隣接したホテルが良さそうです。


移動にはStrollかレンタカーを用いるべし


グアムは比較的小さな島*7ですが、それでも歩いて回るのは無理があります。そこでお薦めなのがライドシェアサービスなのですが、グアムではUberLyftもGrabも使えない代わりにStrollというご当地ライドシェアがあるので、そちらを利用するのをお薦めします。App Store / Google Playどちらからもインストールできます。Grabと違って日本国内にいる時点からクレジットカード登録ができますので、出国前に済ませておくと良いでしょう。


使い方は完全にUber / Lyft / Grabと同じで、現在地(乗車予定位置)と目的地を指定して、後は希望の車種を選択して配車リクエストをかけるだけです。我々が滞在中は「台風復興(後述)のための寄付つきプラン」で2ドル追加で課金されるようになっていましたが、普段は23ドルが基本料金という感じでした。なお我々が利用した3回とも全て料金は30ドルでした(自動設定チップ20%込みで基本料金=初乗りの金額)。


ただ、初乗り23ドルというのは決して安い金額ではないので、島内を頻繁に車で移動するようであればレンタカーを利用した方が良いかもしれません。見た感じではハワイ島マウイ島よりは道路は混んでいるもののオアフ島ほどは混んでいないという交通状況で、ニッポンレンタカーを初めとして日系のレンタカーサービスも島内にあるので、試してみるのも一手でしょう。


ちなみにタクシーはほぼクレジットカードが使えない模様で、念のため持参した現金100ドルは空港との往復のタクシー代(チップ込み)で概ね消えました。またタクシーだと当たり前ですがある程度以上英語でやり取りできないとしんどいので、その意味でもStrollかレンタカーを使った方が無難かもしれません。


フードコートはUS国内としては綺麗なのでランチにお薦め


今回グアムではGuam Premier OutletsMicronesia Mallと2箇所の大型商業施設を訪れたんですが、どちらにもフードコートがあったのでちょっと回ってみました。そこで感心したんですが、US国内のフードコートとしてはかなり衛生的で綺麗なんですね。


これは別に他所のUSの都市のフードコート*8をdisってるつもりはないんですが(笑)、特に清掃スタッフが駆けずり回っているわけでもないのにどこも汚れたり散らかったりしていなかったのが、物凄く印象に残っています。これはグアム現地の人たちの高い衛生意識のなせる業なのかもしれませんが、日本は都内のその辺のフードコートと比べても綺麗というくらいの感じだったので特筆に値すると思います。


ちなみに上の写真はPremier OutletsのTaco Bellで頼んだcomboです。日本ではTaco Bell上陸時にどこの店舗でも大行列していたと聞きますが、グアムでもここだけちょっとだけ列が伸びていてやっぱり人気があるんだなと思った次第です。


ディナーはOpenTableなどで予約すると便利


リゾートの夜と言えばディナーやナイトクラブを楽しみにしている方々も多いかと思います。流石にナイトクラブは僕の守備範囲ではないので分かりかねますが(笑)、ディナーについては調べた範囲ではOpenTableで予約するのが便利なようです。過去の海外旅行でもNYCとマウイ島では大いに役立ったのですが、グアムでも有用でした。


実際に今回のグアム旅行で予約したのは、他でもない宿泊先のDusit Thaniの中のレストランたちなんですが(汗)、それでも受付にいたりいなかったりするconcierge / restaurant reservationの人たちに頼むよりはwebだけで完結するので、気楽で良いと思います。ただし、見ていた感じではweb予約枠が少なくOpenTableからだとすぐに席が埋まってしまうようだったので、確実を期すなら直接問い合わせた方が良さそうです。


我々が2日目の夜に満喫したのはAlfredo's Steakhouse。Wolfgang'sの薫陶を受けたというTボーンステーキは実に絶品でした。ワインリストも充実のラインナップを誇っており、流石はかつてグアムNo.1レストランの座に輝いただけのことはあります。


3日目の夜のディナーはSoiにて。タイ資本ホテルのタイ料理レストランだけあって、非常に上品で本格的なタイ料理を楽しめます。


物価、支払い、その他の細々とした話



物価については嫁さんの昔の同僚でグアム常連*9という方の話では「米本土よりは安い」という話だったんですが、上記のTaco Bellのセットが18ドル弱(2500円ぐらい)という感じだったので、やはり日本に比べると結構な割高感がありますね。上に写真を挙げたBeachin' Shrimpも瓶ビール2本と料理2皿を頼んでチップ込みで56ドル(8000円ぐらい)したんですが、ほぼファミレスみたいなカテゴリであることを鑑みるとやはりちょっと頭を抱えたくなります。どちらかというとちゃんとしたレストランで大ボリュームの料理を1皿頼んでシェアする方がお得感があるんじゃないでしょうか。上記のAlfredo's SteakhouseのTボーンステーキなどはその意味ではお薦めかと。


それから、クレジットカードはVisa / Masterのいずれかを必ず持参することをお薦めします。理由は簡単で、これ以外は受け付けない店がちらほらあるからです。というのは嫁さんがAmexユーザーなんですが、2回ほど「Amexは使えない」と断られて「おおこれがあのVisaの有名な比較広告CM*10で言われていた事態か!」と感心したのは単に僕がおっさんなだけです(笑)。


グアムは言うまでもなくUS territoryなので公用語は当然英語で、観光客といえども英語が出来た方が便利に決まっているんですが、バブル期などに日本人が大挙して押しかけて暴れ回った成果が(パリ同様に)まだ残っているようで、至るところに日本語表記の看板やレストランメニューがあります。なので細かいやり取りをしない限りは、英語が話せなくてもある程度はいけると思います。また大手リゾートホテルだとスタッフに日本人がいることがあるので、どうしても日本語でのやり取りを希望する場合はホテル側に日本人スタッフによる対応を依頼するというのも一手です。


余談ながら。Dusit Thaniのチェックイン時に対応してくれたのが韓国系のスタッフの人だったんですが、あまり英語が得意でないのかdepositの説明*11の際にGoogle翻訳で韓国語→日本語の翻訳画面を見せながら説明してきて、思わず苦笑いしてしまうという一幕がありました。そういう意味では、米本土と違ってグアム現地にいる人も必ずしも英語が母語とは限らないという側面はある*12ようなので、尚更あまり英語で話すことにこだわらなくても良い気がします。


Stay Strong -- 台風2号(Mawar)の余波に関して


我が家がグアムを訪れたのは、台風2号(Mawar)が甚大な被害を出してから2週間余り経った頃でした。台風直撃当時は猛烈な風雨と高波によって人的犠牲が出た他、住宅や施設・ホテルにも破損や浸水の被害が出ており、日本人を含む多くの観光客が足止めを食らった挙句ホテルから追い出されてその日の雨露をしのぐのにも困るという事態になり、1週間ほどはかなり大変だった様子を各種報道やSNSで見ていました。


それでもかつては航空台風観測の拠点ともなっていた島であり、日本で言えば沖縄に当たる文字通りの「台風銀座」の本拠だけあって、台風被害からは非常にスピーディーな復旧に漕ぎ着け、我が家がグアムに向けて出発する頃には「大半のホテルと商業施設は営業再開」とのニュースが流れていました。これには本当に感服するしかなかったです。



ただ、現地に行ってみるとやはり台風の爪痕はそこかしこにまざまざと残ったままで、例えばDusit Thaniの隣のHyatt Regencyのさらにその隣にある緑地は、2014年のストリートビューの写真からはヤシの木と灌木などの茂みで覆われていることが分かりますが、我が家が通りがかった際には見渡す限り全てのヤシの木が倒れ尽くしていて、見るも無惨な有様でした。


これに限らず、タモンに立っているヤシの木の大半が枝が折れたり吹き飛んでしまっているなど五体満足なものの方が珍しいという状況で、ホテルの敷地内ですらそれは同様。さらにビーチ側から見ると浜辺のビーチハウス類は軒並み強風と波浪で見る影もないほど壊滅しているところばかりで、我が家が滞在していた間は復旧工事に着手したばかりという様子でした。


また主要ホテルは概ねオープンしていたとは言え、例えば前述のHyatt Regencyはビーチに面した施設はプールも含めて強風であちこち破損してしまっていて、ずっと閉鎖されていました。それどころか、我々が宿泊していたDusit Thaniでもチャペルの窓が吹き飛んでしまって閉鎖されていたり、高層階の客室の中にも窓や手すりが破損して修理中のところが散見されました。商業施設でも、例えばMicronesia Mallでは一部天井が落ち屋根やエントランスも破損して修理中でしたし、DFSでも屋外の看板が吹き飛ばされたところが何箇所かありました。


そして、建物や施設の破損は免れていても台風の影響でロジスティクスなどに問題が起きたり、7月のハイシーズンを前に復旧に専念したいor開けてもオフシーズンで客が来ないので無駄という方針だったりで、休業を余儀なくされているホテルや施設も少なくなかったです。例えばDusit Thaniのショッピングモールは事実上California Pizza Kitchen以外全て休業状態(Hard Rock Cafeも閉まっていた)でしたし、Dusit Thani自体もBeach側のプールはずっと客を入れていなかったので恐らくクローズしていたのでしょう。DFSも破損部分は少ないながらも施設全体が休業のままでしたし*13、Premier Outletsも3割ぐらいは閉まっていました。日本人にはお馴染みのパンケーキ屋、Eggs'n Thingsも休業中でした。なお細かいことを書くと、島内全域で生ビール(つまりdraft / tap)の流通が滞っているようでした*14


ところが、帰りに空港に向かう際に乗ったタクシーのドライバーさん曰くでは「今回のMawarも酷かったが、2002年の台風(Pongsona)ほどではない」とのことでした。Mawarではタモンビーチの目抜通りであるRoute 1沿いのヤシの木の枝が折れてヤシの実が皆落ちてくる程度で済んだけれども、2002年の台風ではヤシの木が全て薙ぎ倒されてしまったのだそうです。復旧には軍の工兵部隊の支援が必要なほどだったそうで、1週間ぐらいはインフラは全て止まったままだったとか。ドライバーさんの家も屋根とドアと窓は全て吹き飛んだという話を笑いながらしていました。「この程度の台風ごときではグアムはへこたれない」と言わんばかりの彼女の様子が印象的だったのを覚えています。


恐らくですが、グアムというのはそんな凄まじい台風に幾度も襲われてもなお不死鳥のように蘇る、逞しい人々が発展させてきたリゾートなのでしょう。グアム政府当局が掲げた復興スローガンが "Stay Strong" であったのも、その表れであるように思われます。各種アナウンスから察するに、7月以降のハイシーズンにはほぼグアム全島が元通りに復旧すると見込まれますので、グアムの復興を助けたいと思う方々におかれましては、是非今後の旅行先の候補に加えていただければと願っております。


往復のフライトと出入国について


選んだエアラインは、比較的お値頃感があって尚且つ席が空いていたユナイテッド航空(UA)。短距離路線ということで、機材はB737-800。


今回は先述の通り「エコノミークラス症候群」とも呼ばれるDVTからの海外渡航復帰第一弾ということで、万全を期すという意味合いも込めてビジネスクラスを選びました*15。フライトタイムが4時間にも満たない短距離路線なので、ビジネスでもそこまでとんでもなくお高いわけでもないというのはもっけの幸いでした。






ビジネスクラスで飛ぶということで、成田・グアムの双方でラウンジが使えました。成田のラウンジは以前に何度か前を通りがかったことがあるターミナル1・南ウイングのゲート31付近にあって、かなり広いです。食事もドリンクも色々用意されているので、ランチぐらいなら一通り取れます。他の各種体験記にもあるようにトイレだけが何故か完全US仕様なのが謎ですが、とにかく広々としているので昼時など空いている時間帯なら出発前にかなり余裕を持ってくつろげると思います。



グアムのラウンジはゲート10付近にあって、流石に空港の規模に見合う感じで小ぢんまりとしていました。食事は本当に軽食という感じのラインナップでしたが、バーカウンターがあってアルコール類は色々出してもらえるようでした。




UAビジネスクラスのシートですが、B737なのでちょっと横幅とピッチ広めで革張りの座席という程度。とは言え、それでもエコノミーに乗るよりは広くて快適だと思います。機内食は陶器の皿でひとまとめに出てくるタイプで、デルタ航空のプレミアムエコノミーに近い印象でした。ちなみにビールのリストにStella Artoisがあったのは個人的にはナイスでした。実は主治医からは「DVTなので機内ではあまり酒は飲むな(極度な脱水症状になったら再血栓化するので)」と言われていたんですが、まぁいっかーアハハハハハ(汗)。


一つだけ気になったのが、UAといえども日本発着便なので一人くらい日本語母語話者がクルーにいるだろうと思ったら往路も復路もゼロで、機内サービスから機長アナウンスに至るまで当然ですが英語のみでした(機内食の質問が「ニク?サカナ?」だったのはご愛嬌)。まぁ普通は何事もないと思うので大丈夫ですが、何かトラブルや緊急事態があった際には英語が全く分からない人だとちょっと厳しいかもしれません。それもあってか乗客も日本発着便の割にあまり日本人は多くないという印象でした。


ちなみにトラブルというほどのことではなかったんですが、往路のフライトはパイロットの勤務時間超過規制の影響で2時間ほど遅れ、逆に復路のフライトはMawarの影響で元々予約していた夕方発の便が取り消しになって昼発の便に振り替えられるという変更を余儀なくされたのでした。どちらも仕方ない話なのですが、やはりMawarの余波は大きいのかなと思われた次第です。


ところで、今年5月にWHOが新型コロナパンデミックの緊急事態宣言を終結させたことで、それ以降は日米両国ともワクチン接種証明に関する手続きを課さなくなりました。我が家は野生株ワクチン3回+オミクロン株2価ワクチン1回まで接種済みなんですが、接種証明絡みの手続きは面倒だと思っていたのでそれが不要になったのは入国審査にも時間がかからなくなって良かったと思ってます。


ついでに書いておくと、グアムではマスクをしている人はほぼ見かけなかったです(ただしゼロではない)。オフシーズンだったというのもあるのでしょうが、どこに行っても「そもそもオープンエア」か「そもそも閑散としている」か「そもそも人の密度が低い上に日本より遥かに広々としている空間」かのいずれかで、どう見てもマスクの必要性に乏しいという印象だったので我々もついにグアム滞在中にマスクを着用することはありませんでした。


なおコロナ禍の間全然海外渡航していなかったので、今回初めて知ったことが幾つかありました。1つ目は成田の保安検査。ググって出てくる体験記類を幾つか読んだ感じではファースト・ビジネスクラス向けのファストレーンは閉鎖されていることがあるという話でしたが、成田のターミナル1・南ウイングに関して言えば、ファストレーンはちゃんと開いてました。そして中の保安検査(手荷物&全身X線チェック)システムが一新されてスムーズになっていて、ちょっとびっくりしました。前回成田から出発したのは2019年の9月だったんですが、調べたところでは2020年4月に導入された*16ようで、もっと前からこのシステムだったら良かったのにと思ったのでした。


2つ目は税関申告。現在では日米両国ともオンラインで申告できて、通関時には申告時に生成されるQRコードを見せるだけで良くなったというのは全然知りませんでした。往路はそれでもUAからの通知メールで事前にやっておけば良いというのでやっておいて、グアム入国時にQRコードを見せて通ったんですが、復路はそれに気付かず普通に機内で紙の申告書類に記入して、いざ成田で通関する際にQRコード自動読み取りゲートを見て「なーんだ、日本もオンライン申告で良かったんじゃん!」となってちょっと悲しかったです(笑)。3年も飛ばないとすっかり浦島太郎化するんだな、と痛感した一幕でした。


おまけ


9.11以降旅客機コックピットへの乗客の立ち入りは厳しくなったんですが、B737ビジネスクラスは前方にあってコックピットまですぐそばだったので、ドアクローズ前にCAさんに頼んだら入れてもらえて、パイロットのお二人に挨拶した上で写真も撮らせていただきました。実機のコックピットを写真に撮るのは生まれて初めてだったので、嬉しかったです。


ABC Storesで見つけたぐでたま。台湾でも見かけましたが、こんなところにも進出していたんですね。


帰りのグアム空港で見かけたアントノフ。何でグアムなんかにいたんですかね?



帰路は北マリアナ諸島空域まで天気が良かった*17ので、色々と島嶼の写真が撮れました。こちらは恐らくアスンシオン島と思しき写真です。


そして成田への南側進入(34L)だったので、九十九里浜上空を通過しながらの帰国でした。この景色が眼下に広がると「ああ日本に帰ってきた」という気分になるんですよね(羽田の国際線が復活する前の時代を知っているが故の感想かもしれませんが笑)。

*1:これって「ハファデイ」と発音するんだということを、グアム現地に行ってみて初めて知りました

*2:深部静脈血栓症(DVT)に罹りました - 渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ

*3:そしてその服薬スケジュールの調整

*4:ちなみに友人や同僚にはグアム常連という人が結構いる

*5:実際例えばシンガポールの雨季のスコールはめちゃくちゃ激しい

*6:これはサイパンのマニャガハ島

*7:オアフ島やハワイ島に比べればという意味で

*8:LAとかサンディエゴとかDCとかNYCとか

*9:シュノーケリング・スキューバダイビングが一家で趣味らしい

*10:1988年のカルガリー冬季五輪の際にVisaが「アメリカ大陸であってもカルガリーではAmexは使えません、どこでも使えるVisaをどうぞ」というCMを流していたことがある

*11:確かにこれはサービス業の説明としてはややこしい感はある

*12:特にDusit Thaniはタイ資本なので必然的にタイ出身と思しきスタッフが多かった

*13:オンラインでの注文は受け付けるという張り紙がエントランスにあった

*14:先述のBeachin' Shrimpでは生ビールが払底していた

*15:ちなみにビジネスやファーストクラスに乗っていてもエコノミークラス症候群は発症し得ることが知られています、念のため

*16:恐らく東京オリンピックのため

*17:その代わり梅雨時ゆえ伊豆諸島空域は往路も復路もかなり天気が悪くてガタガタ揺れていた