
タイトルを読んで字の如しですが、6月中〜下旬にかけて7泊9日の日程でハワイ島のマウナ・ラニとワイキキに行ってきました。我が家にとって、ハワイ島は15年前に嫁さんに加えて僕の両親を伴って訪れて以来、ワイキキも8年前にオアフ島のアウラニに泊まったついでに滞在して以来、ということでハワイ自体は5回目ながら久方ぶりの再訪でした。特に、僕が3年前に深部静脈血栓症(DVT)を患って以来、長時間フライト&大きな時差のある地域への渡航を控えていたということもあり、ハワイ再訪は個人的には悲願だったのです。
ということで、今回の旅の思い出の記録と、次に再訪した時のための備忘録を兼ねて、恒例の旅行記ブログ記事としてまとめておこうと思います。
ちなみに、このブログを書き始めてからだと過去2回ハワイに行っており、8年前はアウラニ&ワイキキ、7年前はマウイ島を訪れています。それ以前にも新婚旅行と両親を連れての4人旅行でも行ったことがあり、我が家はつくづくハワイが好きなんだなと思う次第です。
- ハワイ島
- ワイキキ
- 旅行してみて気づいたことなど
- フライトについて
- おまけ
ハワイ島


我が家にとっては、ハワイ島は僕がまだ研究者だった15年前に訪れて以来の懐かしの憧れの地。しかも、10年ぶりに行きたいと思って2020年にJALの直行便を予約して飛ぶつもりだったのが、コロナ禍の影響で全面的にキャンセルに。ようやく悲願が叶ったのが今回の旅行です。15年前は2泊しただけで、しかも2日目はマウナ・ケア登山に費やしていたので、今回は4泊してのんびりすることにしたのでした。
15年前も泊まった、懐かしのフェアモント・オーキッド・ハワイ






ハワイ島で泊まったのは、西海岸コナ地域はマウナ・ラニ・リゾート地区を代表する名門ホテル、フェアモント・オーキッド・ハワイ。15年前の訪問時も泊まった、我が家にとっては思い出深いホテルです。


コナの海岸の広大な溶岩平原を切り開いて作られたリゾートということもあって、そこかしこに溶岩を活かした設えがなされているのが印象的です。

ホテル内にはテニスコート(10面以上ある上に写真のようなスタジアムコートもある)もゴルフコースもあり、事前予約が必要ながら存分にテニスやゴルフも楽しめます*1。今回はラケットを持参しなかった&風が強かったので結局テニスは見合わせましたが……*2。
Gold clubだとラウンジも専属コンシェルジュも使えて至便


最近のリゾートホテルの多くがいわゆる「クラブ・フロア」を設定してプレミアムサービスを提供しているんですが、フェアモントグループも同様で"Gold club"という部屋ランクが設定されています*3。実は15年前も同様のランクの部屋に泊まって大満足だったので、今回もGold clubの部屋を選択しました。North towerの6階のフロア全体がGold clubとなっています。



Gold clubには様々な特典がありますが、一番大きいのは"Gold Lounge"が使えることかなと。ここでは朝食と夕方の軽食(カナッペというかおつまみ)、コーヒーやソーダなどソフトドリンクが無料で提供され、有料(ただし自己申告)ではあるもののアルコール類も提供されます*4。その気になれば、レストランなどに行かずともこのラウンジだけで三食全てまかなうことも可能です。

流石はフェアモントといいますか、有料ながらほぼ注ぎ放題のワインのラインナップもなかなかに豪華です。Trefethenとか日本で買うと高いですよ(笑)。
また、ラウンジの前には専属コンシェルジュたちが朝から晩まで待機しており、チェックイン&チェックアウトは勿論のこと、ルアウやレストランの予約など多種多様なリクエストに応えてくれます。そして今回驚いたのが、専属コンシェルジュは「出発前」からメールで対応してくれるということ。おかげさまで、後述するリゾート・リムジンやスパさらには到着日のレストランの予約が日本からでもスムーズにできました。
ひたすらバカンスを楽しめる贅沢な環境


フェアモントはいわゆるall inclusiveではないものの、ありとあらゆるサービスの決済をルームチャージで済ませることができるので、ホテル内に滞在する限りは必要なものは防水リストバンド型ルームキーだけ。スマホとホテルの水筒*5さえ持ってプールサイドやビーチサイドに出れば、あとはバカンスを存分に楽しめるという算段です。


我が家は主にプールサイドに陣取っていたんですが、定期的にプールサイドバーのウェイターが回ってくるので、ビールや軽食が欲しい時は彼らを呼び止めて注文すれば持ってきてくれます。
そういうわけで、我々はマウナ・ラニくんだりまでやってきておきながら日がなプールサイドのチェアに寝っ転がって、ひたすらスマホで本や漫画を読んで過ごすという贅沢なことをしていたのですが、こういう時にアメリカ本土から来ていると思しき他のお客さんたちは何をするのかと思って見ていたら、スマホではなくて分厚いペーパーバックを読むんですね。今度からは紙の本を持ってこようかな、と思った次第です。
思ったよりもウミガメに出会える

フェアモントの海岸は自主的にホヌ(ウミガメ)の生息環境整備がされていることもあり、割と頻繁にウミガメを見ることができます。タイミングさえ良ければ、至近距離まで近づいて写真を撮ることも可能です。ウミガメ観察ミニツアーでスタッフから聞いたところでは、5種類ほどいるウミガメのうち頻繁に海岸に上がってくるのはアオウミガメ(Green Turtle)のみだそうで、上の写真も見かけの色とは裏腹にアオウミガメです。余談ですが、主食は海藻類である割にたまにクラゲなども食べるそうで、どうやら「クラゲの毒で酔っ払うのを好むから」らしいのだとか(笑)。

ちなみに、浜辺で頻繁にウミガメに出会えるとはいっても、地元当局の規制ルールもあり3フィート(大体1m)以上は必ずウミガメから離れていなければならないので、そこだけご注意を。注意喚起の看板も出ています。
美しい夕暮れは必見


今回わざわざフェアモントをバカンス先に選んだ最大の理由がこれ。広い太平洋に沈む夕日が作り出す、グラデーションに富んだ夕暮れが幻想的で美しいんですよ。15年前にその綺麗なサンセットを目の当たりにしたからこそ、ずっと再訪を願い続けていたと言っても過言ではありません。フェアモントは西に面しているので、天気さえ良ければいつでも美しい夕暮れを堪能できます。
Spa Without Wallsでは極上のリラクゼーション体験ができる

フェアモントの売りの一つが、ハワイアンスタイルのスパ。前回訪問以来ずっと嫁さんが関心を持っていたのと、僕自身もここ半年ぐらい右の肩甲骨周りの筋肉の硬化・こわばりに悩まされていることもあり*6、事前にロミロミ(ハワイ流マッサージ)の予約を入れておいたのでした。
施術の様子は勿論プライバシーもあってお見せできないのですが、そのリラクゼーション効果は絶大そのもの。僕に至っては半年悩まされた筋肉の硬化が嘘のように取れて、「これは凄い!」となっていました。もっとも30分程度で元の木阿弥に戻ってしまいましたが(泣)。
特筆すべきは、その施術スペース。上の写真に映っているような、滝のすぐそばのコテージで受けられるのです。ハワイならではの熱帯の植栽が風に揺られてさざめく音と、しっとりと流れ続ける滝の音に囲まれてリラックスしながら、ロミロミをたっぷり堪能できるというのは実に素晴らしい体験でした。
The Shopsに行くなら自転車を借りると楽
フェアモントから1.6kmぐらい内陸に入ったところ*7に、The Shopsというショッピングセンターがあります。Foodlandというスーパーの他にTommy Bahama以下アパレルショップや土産物屋、さらにはビアバーや不動産屋などが軒を連ねます。マウナ・ラニ地区は別荘も多く、フェアモントの宿泊客も含めてここで色々な買い物をする人が多いようです。Foodlandは惣菜も売っているので、部屋食にするのであればここで買っていくのも良いでしょう*8。
歩いても20分程度の距離なので徒歩で往復しても良いと思いますが、2回目に買い出しに行く際にAccor Live Limitless (ALL)*9の特典で無料でレンタサイクルを借りられると気づいたので、試しに乗ってみたら思いの外便利でした。この手のメンバーシップって何の役に立つのかいまいち分かっていなかったのですが、ようやくそのご利益を理解できました(笑)。
グルメ
フェアモントはマウナ・ラニ地区にポツンとあるリゾートゆえ、グルメといっても選択肢はどうしても限られますが、備忘録的に夕食の感想を書き留めておきます。
Brown's Beach House:サンセットを楽しめるビーチサイドレストラン

初日に行ったのはこちら。読んで字の如く、ビーチサイドに面したレストランです。15年前も、到着した日の夕食はここでとりました。夕暮れ時はそれはそれは素晴らしい眺めで、日没時刻前後は混み合って満席になります。我々が行った時期は18:30ぐらいの予約が理想的だったそうですが、前週にGold clubのコンシェルジュ経由で手配しても18:30のスロットは埋まってしまっていて、18:15にせざるを得なかったのでした。今度からは前々週ぐらいには予約した方が良いかも。


頼んだのは、スペイン風のタコの料理と、ロブスターとステーキのセット。ロブスターは想像以上に大きかったですし、ステーキも肉質が柔らかくて美味しかったです。流石にハワイ島とはいってもアメリカ国内なので、どの料理もボリュームがあります。

サンセットを堪能した後で、調子に乗ってソーテルヌとティラミスを頼んだら、完全に食べ過ぎました(笑)。
Binchotan:日本風ステーキハウス
2日目に行ったのは、「備長炭」という名前の通りで日本風の料理を出すレストランです。帰国後に母に確認したところでは「15年前はいわゆるTeppan-Yakiレストランだった」そうですが、今回行ってみた感じではオーソドックスなステーキハウスという風情でした。



頼んだのは、ホタテのグリルとリブアイステーキ(と付け合わせのカニのコロッケ)。リブアイステーキは本当に備長炭で炙られながら供されていて、ちょっと面白かったです。流石はステーキハウスだけあって、前日のものより質の高いステーキでした。
ルアウのビュッフェ

3日目の夜はルアウを観覧していたので、そのビュッフェが夕食でした。何も考えずにGold clubのコンシェルジュに予約を依頼したらプレミアムシートに振り分けられていたようで、ビュッフェの前にウェルカムドリンク向けのスナックが用意されていました。そのスナックの中の、マグロの燻製が美味でした。


ビュッフェはアヒポキやガーリックシュリンプ、炒め枝豆といったハワイアンフードが並んでいました。子豚の丸焼きが印象的でしたね*10。ライスは今話題のカルローズ米で美味しかったんですが、炊き方が良くなかったのか冷めてしまうと固くなって食べにくかったのがちょっとだけ残念でした。
ルアウ(フラ・ショー)ではハワイの歴史と文化への人々の愛が感じられる

ハワイで有名なエンターテインメントといえば、何といってもルアウ(フラ・ショー)だと思います。フェアモントでは水曜の夜にルアウを開演しており、前述したビュッフェの食事を味わいながらルアウを楽しめます。


演目としては伝統的なハワイアン・フラ、王朝系のフラ、ハワイ人の故郷であるタヒチアン、ファイヤーダンスとして名高いサモアの戦士のダンス、といった感じで割とオーソドックスなんですが、面白かったのがカウボーイのフラ。僕は寡聞にして全然知らなかったんですが、ハワイでは19世紀以降牛の畜産業が普及しパニオロ(カウボーイ)も職業として広まったものの、観光業が主体となってからは下火になってしまっていたそうです。しかしながら近年では復興を目指す動きも盛んで、このカウボーイのフラもかつてハワイから全米カウボーイ選手権のチャンピオンを輩出したという誇りを表すものなのだとか。
またルアウ全体を通じて、司会進行のMC氏が各フラ演目ごとに前説として「ハワイの人々がどこから来たか」「ハワイの食文化」「ハワイの生活習慣」「ハワイの宗教」といった解説を丁寧に話してくれて、非常に分かりやすかったです。まさしく「ハワイの文化と人々への愛」が感じられる、素晴らしいルアウでした。
ホテルへの交通手段、ホテルスタッフ事情など

コナ空港からフェアモントまでは、車で30分程度の距離。15年前はJTB差し回しの業者タクシーで往復した*11のですが、今回はその時の「コナ空港にはあまりタクシーがいなかった」という記憶から、先述のGold clubのコンシェルジュに事前に依頼してリゾート・リムジンを往復で手配しておいたのでした。料金はルームチャージで片道$139(チップ別)とそこそこしますが、何も考えなくて良いので楽です。

……なのですが、帰路に改めてコナ空港の周りをよくよく観察してみたら、15年前に比べて空港施設が拡充されており、タクシーの数も増えていたようでした。Wikipediaの英語版記事にも近年近代化工事がなされた旨が書かれているので、やはり15年前とは違うということですね。
もう一点。15年前のフェアモントにはGold clubのコンシェルジュ含めて日本人(日本語話者)のスタッフが何人かいて、ややこしい依頼などの際には日本語が通じて便利だったのですが、今回はゼロ。唯一の例外が、プールサイドで日陰のあるチェアを探していた時に声をかけてくださった、夏季インターン中のリネンスタッフの日本人女性の方*12。伺ったところでは「フェアモントに日本人スタッフが他に全くいないだけでなく、日本人客にもほとんど出会わない」とのことでした。フェアモントの館内各所にある注意書きの大半が日英併記であるにもかかわらず、です。
コナ空港では日本人客を僅かながら他にも見かけることはあったんですが、それでも15年前はもっと当たり前のように日本人客にぞろぞろ出くわすことがあったことを考えると、やはりコロナ禍やら円安やらの影響でハワイ島は日本人には縁遠いところになりつつあるのかなぁ、という感想でした。
ワイキキ
我が家では実はワイキキは「いつ行っても日本人客だらけで海外旅行感の薄い場所」扱いされていて、7年前のマウイ島旅行の際はワイキキに寄りすらしなかった*13んですが、コロナ禍が落ち着いて以降初のハワイ旅行だというのと、帰国便のためだけに朝4時起きとかするのもどうかというのがあり、今回はワイキキでも3泊することにしました。
カラカウア大通りの西の端のホテルだったが、割安かつ見落としていたスポットにも近くて良かった
ワイキキで泊まったのは、Luana Waikiki Hotel & Suites。ここに決めた理由は「現在のワイキキでは割安だったから」。以前はワイキキど真ん中のハイアットとかシェラトンとかに泊まっていたんですが、今回の旅行を計画した際にそれらのホテルの料金をチェックしたら「え!?今のワイキキってこんなに高いの!?!?!?」という値段でびっくりしてしまったのでした。

そこで、旅行代理店に勤める義理の姉に相談したら勧められたのがLuana。確かに料金は割安で、キッチン付き&オーシャンビューでも割と常識的な値段に収まるということで、ここに決めました。


高層階の部屋だったので、思いの外眺望が良かったのも満足ポイントでした。海に向かってはちょうど公園が広がっていて遮るものがないので良く見えますし、カラカウア大通り方向にもやはり遮るものが少なくギリギリですがダイヤモンドヘッドも拝めました。
グルメ
久しぶりのワイキキだったので、ディナーは堅実なチョイスにしてみました。と言いますか、単に日本からOpenTableで予約できる範囲で押さえていったので、出発前に把握している範囲でしか店を選べなかったということでもあります(汗)。
Wolfgang's:8年前も訪れたTボーンステーキの名店

5日目の夜に訪れたのは、ロイヤル・ハワイアン・センターの3階にあるWolfgang's。8年前にも訪れています。


芸がないと言われそうですが、今回も頼んだのは勿論Tボーンステーキ。いつもながらのフィレの柔らかさ、サーロインの旨味で、美味しくいただきました。ただ、8年経って歳をとったのか、サイドも頼んだものの完食はできませんでした……40歳フラットの頃はもっと平らげられたんだけどなぁ、と。

それでもここに来たなら外せないということで、NYCから送られてくるチーズケーキは別腹扱いでいただきました。ちなみに、8年前に「日本人客ばかりで英語で全然接客できない」と嘆いていた日系2世ウェイター氏は今回も見かけたのですが、我々のテーブルの担当ではなかったので声をかけそびれました(残念)。それどころか、我々のテーブルの担当は日本語話者の日本人女性の方だったのでむしろ拍子抜け。後述するように、今回のWolfgang'sはそこまで日本人だらけというわけでもなかったのですが、それでも普段のハイシーズンはやっぱり日本人だらけなんですかね?
Noi Thai:南国リゾートにはアジアン料理が合う
6日目の夕食はあえて予約を入れていなかったので、ワイキキ・ビーチウォークやインターナショナル・マーケット・プレイスをぐるぐる回ってみたものの、どこも混んでいるor決め手に欠けるということで店を決め切れず、結局ロイヤル・ハワイアン・センターのまたしても3階にやってきて、入れそうだということで選んだのがNoi Thai。読んで字の如く、タイ料理のお店です。ちなみに一昨年のグアムでもタイ料理、昨年のフィジーでもベトナム料理を堪能していて「南国リゾートにアジアン料理は合う」*14というのを覚えていたが故のチョイスでした。



頼んだのは生春巻きと、クラブケーキと、ロブスターなどシーフードを炒め合わせたスペシャリテ。ハワイくんだりまで来てロブスターばっかり食べていてどうなんだという感もありますが、こちらのロブスターも美味しかったです。
Tanaka of Tokyo central:新婚旅行以来の宿題がようやく果たされる
最終日7日目の夜に行ったのは、極めてベタながら田中オブ東京セントラル。実は、新婚旅行でワイキキを訪れた際に色々なところで「ハワイ育ちの日本の味」と大書された広告を見かけては「うっわーいかにもじゃん」と思って結局行かなかったのですが、のちに嫁さんがシアトル出張で同種のサービスを提供するBenihanaに行ってみて気に入ったとのことで、「ならいつか行ってみよう」という話をしていたのでした。それが実現したのが、今回の旅行だったというわけです。


基本的には「パフォーマンスつき鉄板焼き」で、我々のテーブルでもシェフ氏が卵や茶碗でジャグリングをしたり、鉄板の上に爆炎を躍らせたりといったパフォーマンスを披露してくれて、大いに盛り上がりました。



我々が頼んだのはShogunコースで、ホタテとロブスターとアンガス牛のテンダーロイン(フィレ)とが出てきたんですが、テンダーロインが思いの外美味しくて気に入ったのでした。流石は老舗、パフォーマンスだけではないんだなと感銘を受けた次第です。
Lahaina Shave Ice
嫁さんが大のかき氷好きということで、ホテルに近いこともあって7日目の午後にLahaina Shave Iceに行ってきました。普段なら結構行列ができているのですが、この時は中途半端な時間帯だったので並ばずに買えました。

全ての種類のシロップが自家製と思しきクオリティで、美味しかったです。
シルク・ドゥ・ソレイユ「アウアナ」は常設劇場ならではの迫力ある内容

ワイキキにも3泊すると決めた際、「流石にマウナ・ラニで4泊もバカンスだけ楽しむならワイキキでは一つくらいアトラクションがあっても良いのでは」という話になり、嫁さんに予約してもらったのが、シルク・ドゥ・ソレイユ「アウアナ」。アウトリガー内の常設劇場での公演なので、巡回公演とはまた違った迫力ある内容でした。
我が家では過去に何回かシルクの演目を見ていますが、アウアナはハワイの歴史と文化をバックグラウンドストーリーに据えながら、その上で既存演目からいいとこ取りしてきたという感じで、いわば「ワイキキ限定豪華版シルク」といったところでしょうか。
なお、ネタバレになるので詳細は伏せますが、アウアナではちょっとしたサプライズが楽しめます。前方席や通路沿い席を選ぶと、もしかしたら面白い体験ができるかもしれません(笑)。
旅行してみて気づいたことなど
ハワイといえば長年に渡って日本ではお馴染みの海外旅行先なので今更このブログで解説するようなことはないかと思いますが、主にコロナ禍前などと比べてみて個人的に気づいたことなどを書き記しておきます。
日本人観光客が劇的に減った
今回コナ・ワイキキを通じて感じたのが「ハワイから日本人観光客が劇的に減った」ということ。一昔前とかだとそれこそ「ハワイは48番目の県だ」などというジョークすら言われていたほどにハワイには日本人観光客が溢れ返っていた*15んですが、今回は面白いくらい減っていてびっくりしたのでした。
特にワイキキに関しては、前回最後に行った8年前は7月の独立記念日前後の繁忙期に近い日程だったこともあって、街ゆく人々の8割が日本人観光客という印象だった*16んですが、今回は1割もいないという体感でした。時々見かける日本人も、大半がジューンブライドのハネムーンと思しき若いカップルばかりという有様。毎年ワイキキの分譲コンドミニアムに長期滞在しているというテニス仲間のおじさんからは「単純に閑散期の6月は日本人が少なくて繁忙期の7月以降になると増えるというのもあると思うよ」とは言われたんですが、それにしても少なかったように思います。
ちょっと調べてみたらやはりそういう報道も出ているようで、コナでもワイキキでも日本人が減った代わりに米本土からの観光客と思しき人々が増えたように見受けられました。繰り返しになりますが、やはり円安と(日本から見た)物価高のダメージが大きいのでしょう。そういう意味では「ようやくハワイが『日本人のリゾート』ではなく『アメリカ人のリゾート』になった」ということなのかもしれませんが、ちょっと寂しい気もします。
物価はドルベースだとそこまで上がっていないようだが、円換算してはいけない
これはハワイに限らずUS全体について言われることですが、日本の各種報道やメディア記事などでは頻りに「物価が高くなった」と喧伝されているかと思います。この点に関しては、今回の旅行では「そうだ」と言える部分と「そうでもない」と言える部分の両方があったように感じています。
例えばフェアモントのプールサイド・バーで頼んだ、こちらの生ビール1パイントとロブスターのタコスですが。


チェックを見たところ、25%のチップ込みで2人分でぴったり100ドル(当時のレートで14500円ぐらい)してました。高級リゾートホテルだからそんなものといえばそこまでなんですが、改めて算盤をはじいてみるとちょっとびっくりしますよね。
一方で、ワイキキはカラカウア大通り沿いのオープンテラスカフェ*17で頼んだ、こちらの生ビール1パイントと和牛スマッシュバーガーですが。


生ビールは$5.5、ハンバーガーは$18。チップをつければそこそこの金額にはなりますが、単体で見れば例えば日本のグルメバーガーと比べてもそこまで嘘みたいに高いわけではないという気がします。これが仮に1ドル=100円だとしたら、日本でもありそうな価格設定かと。
ならばスーパーで売っている食料品の価格なら参考になるかと思ったんですが、そもそもハワイは島嶼ゆえ域内で自給できないものは全て域外から持ってこないといけないので、全般的に高いんですよね。例えば鶏卵はコナでもワイキキでも1ダース12個で14ドル(当時のレートで2000円ぐらい)していましたが、これは単純にハワイでは卵が高いという話のようにも思えます。
なお、巷の旅行記事やSNSの体験談などで「コロナ禍以降チップの基本パーセンテージが上がっている」「15%なんかつけようものなら喧嘩になる」みたいな話を見かけていたこともあり、今回の旅行では特に理由がなければ22-25%ぐらいつけていたんですが、そういう「チップ比率の値上がり」こそが物価が高くなったと感じられる原因なんじゃないかなぁと思ってます。もっとも、Tanaka of Tokyoのチェックには"included"と付記されて17%だけチップがつけられていたので、普通に20%まででキリの良い数字でつけておけば良かったのかなと思わなくもないです。
キャッシュレス化はそれなりに進んでいる
日本でもキャッシュレス化が進んでいるのに何を言っているんだと笑われそうですが、7年前のハワイしか知らない状況だったのでどうなのかなと個人的には思っていました。
何を隠そう、僕は海外渡航先の現地通貨に関してはかなりの慎重派で、どれほどカード決済が浸透していてもタクシーやチップなどで現金が必要になることがあるということで、どこに行くにしてもある程度以上の現金を必ず両替して持っていくのが常なのです。ところが、今回は「どうせホノルルで乗り継ぎ時間があるからホノルルで両替すればいいや」と思っていたら後述するように全く時間が取れなかったので、結局以前のUS渡航時に余らせた現金を夫婦合わせて持ってきた分しか手元にはない、という状況になってしまったのでした。
……なのですが、結果として現金はそれで事足りてしまったのでした。理由は色々ありますが、一番大きかったのがキャッシュレス化の浸透かと。フェアモントではそもそもほぼ全てルームチャージで済ませられたので枕銭とリゾートリムジンのチップにしか現金は使わず、ワイキキでもホテルはハウスキーピングが入る日数以下しか泊まらなかったので枕銭は不要だった上に、街中の買い物の全てがスマホ決済で済ませられてやはり現金は使わなかったです。
唯一の例外がアラモアナ・センターからホテルに戻るタクシーだけで、それも「現金があるなら現金で」という話。その他のワイキキのタクシーも、ドライバーさんのスマホにカードリーダーをつけることでカードでチップまで含めて全て支払えるようになっていて、便利でした。ということで、次回からハワイに行く際は現金は持って行かないことにします(笑)。
バイクシェアのBikiは便利

これは嫁さんの提案だったのですが、ワイキキでは至るところにバイクシェアのBikiのステーションがあるということで、アラモアナ・センターに行く際に使ってみたのでした。
詳細はちょっとググれば解説記事が色々出てくるのでそちらに譲りますが、ステーションの密度が高いのでかなり便利です。勿論アラモアナ・センターの中にもありますし、ワイキキの中心部にも結構あるので使い勝手はかなり良いのではないでしょうか。「歩道は走らない」「信号機のある交差点では2段階左折する」など常識的な交通規則さえ守れれば、後はどう乗っても大丈夫です。
ただ、我々が利用した際はステーションのキオスクでカード決済しようとしたら通らず、結局嫁さんがスマホのアプリから手配して何とかなったという一悶着がありました。アプリ利用の方が確実かも、と書き添えておきます。
思ったよりも空き店舗が多い

これがコロナ禍の余波なのかは分かりませんが、思った以上に空き店舗というか閉業して後が埋まっていないところが結構目につきました。流石にアラモアナ・センターなど大きいところではそれほどでもなかったのですが、例えばワイキキ・ビーチウォークの辺りでは閉業した空きテナントが何軒も連なっているという光景を幾つも見かけました。以前のワイキキ訪問時に行った店が今回は閉まっていて後にまだ何も入っていない、というケースも結構ありました。
帰国してから調べてみた感じでは、ハワイ州全体の景況はそれほど悪いわけでもないようなので、あくまでもたまたま我々の行動範囲にだけ空き店舗が目立っただけなのかもしれません。ただ、ハワイが大好きなファンとしてはちょっとだけ気掛かりです。
挽いたコーヒーは預け入れ手荷物(スーツケース)の方に入れる
海外旅行・出張が比較的多く空港での保安検査には慣れっこの我が家ですが、今回は思わぬところでやらかしました。それは、帰りのホノルル空港でのこと。
久しぶりのハワイだったのでコナコーヒーを割と多めに土産に買い込んだのですが、7泊と長めの日程だったこともあってスーツケースが2つともパンパンに。「コーヒーぐらい手で持っていけばいいや」ということで、肩掛けのバッグに入れて機内に持ち込むことにしたのでした。
で、ホノルル空港のセキュリティチェックで荷物を通してみたところ……2人のいつもの旅行バッグはすんなり出てきたのに、肩掛けバッグだけは待てど暮らせど別のqueに回されたっきり全く出てこない。良く見たら係員による手荷物の開梱検査に回されていたんですね。「このバッグの持ち主は来なさい」と呼ばれて係員の検査スペースに出向いたところで、見せられたのは他でもない既製品コナコーヒーの袋ばかり。そして、そこで係員がコーヒー袋の付着物を採取し始めたのを見て我々は気付いたのでした。「ああ、これは粉体だから爆発物だと疑われたんだな」と。
そう、例えばプラスチック爆弾は起爆のためにセットされた状態では粘土状だったりするそうですが、単体では粉末なんですね。となれば、セキュリティチェックでぎっしり詰まった粉体の袋が幾つもあれば、その中に爆発物でも紛れ込んでいた日には一大事。めでたく開梱検査に回される羽目になったというわけです。
勿論、開梱検査には何の問題もなくすぐに放免されましたが、意外と馬鹿にならない時間待たされたのもまた事実。今度からはコーヒーなど粉体の土産物はスーツケースに入れて帰ることにしようと思ったという、一幕でした。
フライトについて


これまでハワイには、新婚旅行以外は嫁さんのスカイチームのマイレージステータスを活かす目的で主にデルタ航空で飛んでいたのですが、今回は嫁さんの「フライング・ホヌに乗ってみたい」という希望もあって、久しぶりにANAで飛んだのでした。理由が理由なので、成田〜ホノルル間で乗ったのは勿論A380です。
僕がDVTに罹って以降は我が家で海外旅行する際は原則としてビジネスクラスを選んでいたのですが、今回は「往路は7時間程度な上に夜行便でどうせ食事もとらず寝るだけなのにビジネスに乗るのは勿体無い」ということで、あえてプレミアムエコノミーにしました。A380だったのでエコノミーにする代わりに1列占拠して横になれる「カウチ」でも良かったのですが、ラウンジが使えた方が良いというのがプレエコにした理由です。



そんなわけで8年ぶりにANAラウンジおじさんをキメておりました。もっとも去年も一昨年もラウンジおじさんやってただろ、と言われたらそれまでですが(笑)。

A380によるホノルルまでのフライトは快適そのものでした……と書きたかったんですが、途中全行程の中間点辺りでアホほど揺れたおかげで思いの外寝付けなかったのでした。後になってから天気図を確認してみたら上図の如しで、ちょうど巨大な前線が張り出していてA380ほどの超大型機でも大揺れして当たり前という状況だったようで、何なら帰路も同様でした。ただ、過去に何度も同じ時期にハワイに飛んだ経験からいうと今回ほど揺れた記憶がなく、気候変動の影響かもとも思ったものの勿論確信はなく。詳しい方に解説をお願いしたいところです。言わずもがなですが、途中で揺れた以外は快適なフライトでした。
ところで、近年審査がうるさくなったと言われるUSのイミグレーションですが。ホノルル空港といえども例外ではなく、見ているとやはり入国者の国籍を問わず「女性の一人旅」で審査に費やす時間がかなり長いという印象でした。ハワイといえば言わずと知れた世界的リゾート地であり、女性の一人旅なんてごくごくありふれていると思うんですが、それでも昨今の入国管理に関わる情勢もあって審査が厳しくなっているように見受けられました。
ANAの旅程では乗り継ぎに2時間確保してあったのですが、結局1時間15分ぐらいをイミグレーションに費やしてようやく第2ターミナルから第1ターミナルに移動し、見た感じでは他地域よりのんびりオペレーションしているスタバでコーヒーを買っていたら、もう乗り継ぎ便の搭乗時刻という有様。乗り継ぎには余裕を見て3時間ぐらい見ておくべきだったなというのが反省点です。


ホノルル〜コナ間で乗ったのは、ハワイアン航空。運用機材は今やエアライン系では稀少なT字尾翼&リアジェット*18が印象的なB717*19です。15年前のハワイ島行きも7年前にマウイ島に行った時も、同様のハワイアン航空の島嶼間フライトに乗っているので懐かしく感じました。



コナ空港のオープンエアで開放的なローカル感たっぷり*20のターミナルも以前と変わっておらず、大変に懐かしかったです。

ホノルルからの帰路もANAのA380のプレエコだったんですが、今はA380のためにC3/C4ゲートの間に「A380の2階ドアから搭乗可能なゲートつきラウンジ」が設置されているんですね。そこで、我々は少し早めに空港に着くようにしてラウンジでゆっくりしていきました。




ホノルルのラウンジは成田のものよりも開放感のある作りという印象でした。ちょうど目の前にA380が入るスポットがあるので、A380の写真もバッチリ撮れます。

2階ドアから乗機するためのラウンジ内ゲートはこんな感じでした。どこのラウンジでもこういうサービスがあれば良いのにと思ったんですが、A380のようにゲート選択が固定されているからこそなので仕方ないのかなと。

帰路はずっと日中のフライトゆえ、ずっと起きていて機内食もいただきました。プレエコなのでトレーに全部乗って出てくる形式ながら陶器製の皿でサーブされるというもので、お味の方もなかなかでした。
そんなわけで成田〜ホノルル間の往復はプレエコだったにもかかわらず至れり尽くせりのフライトだったんですが、一つだけ気になったのが「徒歩でのターミナル内移動距離がべらぼうに長いこと」。結局A380という超巨大機材のために、成田もホノルルも後から新規に専用設備を設置できるスペースにA380向けゲートを作っている都合で、乗客の側としてはどうしても既存のゲートよりも大幅に離れたところまで歩かざるを得ないということなんですね。

成田の場合は、第1ターミナルの最も奥に設置された第4サテライトまで行かなければならず、途中新設された歩く歩道つき地下通路を使っても保安検査場からはたっぷり10-15分ぐらいはかかります*21。ホノルルだとそもそも日系エアラインは遠いサテライトで乗降させられるので従前と変わらないといえばそれまでなんですが、それでもC3/C4は保安検査場から最も遠いゲートの一つだったりします。
まぁ「これから飛行機で狭い座席に詰め込まれて長旅をするのだからそれまでにしっかり歩くのは良いことだ」と言われたらそこまでですが(笑)、足の悪い方や高齢の方はご注意くださいということで。
おまけ

フェアモントの本館ロビーバルコニーからの一枚。ここに立つと「フェアモント・オーキッドに来た!」という気分になります。

ワイキキのランドマーク、ハイアットのツインタワーのすぐ隣に高層ビルが新たに建設中でした。長年見慣れた景色も変わっていくんですね。

ホノルル空港第2ターミナルの、スカイラウンジ(デルタ航空)の近くのコンコース。15年前は、往路の機内で気分が悪くなったという母を車椅子に乗せて、嫁さんに先導されつつ父と二人して押しながらここを歩いたものでした。なお、父は3年前に他界しています。

帰路のA380が離陸待ちしている間に、2機連続で離陸していったのがF-35。凄まじい離陸時のエンジン音で、機内にいてもその轟音が大音響で聞こえてきた上にA380の巨体が揺れたほどでした。

フェアモントを出発する際に、振り返って撮った一枚。今度こそは、15年も経つ前に必ずや再訪したいと思います。
*1:テニスは24時間前までに打診すればプレー相手まで手配してくれる
*2:一応ラケット以外は一式全て持参してきてラケットさえレンタルすればプレーできる準備はしてあったものの、北東貿易風の影響でサーブのトスアップすら怪しい日ばかりだったので諦めた
*3:先日オープンしたフェアモント東京にも設定されている旨プレスリリースで見ました
*4:確か15年前はアルコール類も無料だった
*5:ペットボトルの水を提供しない代わりにフェアモント謹製水筒に各所に設置されているウォーターサーバーから水を汲むというシステム
*6:スポーツ整形のリハビリに通っていて頭部MRIまで含めて検査も受けているものの、パーキンソン病やALSなど中枢性でもなく神経圧迫などの末梢性でもないという診断でイマイチ良く分からない……「マウス肩症候群」っぽいんですががが
*7:逆に空港からの幹線道路をフェアモント側に入って比較的すぐのところ
*8:ポキの量り売りもありましたが、勝手が分からなかったので流石に見合わせました
*9:以前現職の出張でAccor系列のホテルに泊まりまくった際にメンバーシップを作ってあった
*10:子豚の生首も映った写真もあったんですが自重しました
*11:今は亡き父が、大昔アメリカ出張のために勉強した英会話の腕を披露しようと、ドライバーさんと悪戦苦闘しながら会話していたのを思い出します
*13:ホノルル空港から全く出ずに乗り継ぎだけしていた
*14:そりゃ気候も似ているだろと言われたらそこまでですががが
*15:なので7年前はそれを嫌ってわざわざ日本人が殆ど来ないマウイ島に行ったくらい
*16:当時ワイキキのWolfgang'sに入ったら嘘でも何でもなくて全ての客が日本人だった
*17:Waikiki Brew Co. | Brewery in HI
*18:プライベートジェットではむしろ主流
*19:元のMD-95
*20:「田舎のバスターミナル」と我が家では表現しております
*21:ANAラウンジは南ウイング保安検査場を出てすぐの第5サテライトにあるので、そこからだと最低でも徒歩で10分はかかる


