私事ですが、最近デルタ航空以外にも乗るようになった嫁さんが「ワンワールド系列でマイル修行をしたい」というので様々な事情*1で最近激安になっているキャセイパシフィック航空で香港まで行って、そこからどこかに乗り継いで簡単な海外旅行でもしてこようかという話になり*2、なら1/10-13の日程でシンガポールに行こうということになったのでした*3。
ということで、単なる訪問記&写真集として適当な記事を一本書いておくことにします。ちなみに僕にとってはシンガポールはこれで6回目。どんだけシンガポール好きなんだという話ですが、その辺の経緯は以前の回顧録記事に散々書いてありますのでそちらをお読みください(笑)。
マリーナベイサンズ
今回「純粋に遊びだから」という理由で泊まったのが、マリーナベイサンズ。何を隠そう、過去5回もシンガポールに行っているのに一度も泊まったことがなかったもので、今回は色々と満喫しました。その他のシンガポールのビジネスホテルやシティホテルも良かったんですが、何だかんだ言われながらもやっぱりマリーナベイサンズは流石リゾートホテルだけあって非常に良かったです。
泊まったのは真ん中のタワー2の32階の部屋。オーシャンビュー(反対側はシティビュー)なのですが、シンガポール港に多数の船舶が停泊している様子が一望できて壮観です。同じく海側には4年前に訪れたガーデンズ・バイ・ザ・ベイもあり、スーパーツリー・グローブと共に織り成す近未来的な光景も望めます。
今回はマリーナベイサンズに宿泊客として訪れたので、ついに宿泊客しか入れない最上階のインフィニティプールにも入ることが出来ました。けれども。。。冷たい!!! 1月のシンガポールはそれほど暑くないというのもあったんですが、それにも増してとにかくプールの水が冷たい! 嫁さんとあまりの冷たさにブルブル震えながらプールに入って、ようやっとのことでプールの際まで行って写真を撮ったりしてました。さすがに最上階から望むシンガポールのダウンタウンの眺めは格別でした。
こちらは32階から臨む夜景。エレベーターホールはシティビューなのでオーシャンビューの部屋に泊まっていると両方の景色が眺められるのですが、こうして見てみるとなかなかに壮麗ですね。
今回の観光
マリーナベイサンズに宿泊して分かったのが、そもそもMRTのDowntown Lineの駅がすぐ真下にあるということ。なので以前のまとめ記事ではGrabをお薦めしていた割に、今回は何とただの一度もGrabに乗りませんでした*4。結局仕事でやってきて、リゾート無関係なMRTの駅から遠いホテルに泊まった時はGrabを使うと便利だけど*5、普通にリゾートに泊まるならMRTで十分ということになるのかもしれません。
今回はチャイナタウンには嫁さんの洋服用生地買い付けで行ったぐらいで、メインはリトルインディアとマリーナベイ周辺。マリーナベイサンズからだと、チャイナタウンもリトルインディアもDowntown Line沿いなので移動は非常に楽でした。
リトルインディアを訪れるのは今回が初めて。MRTの駅を出たら、もういきなりカレーの匂いが。。。見渡す限りインド系の人たちばかりが街行く、正真正銘の「小印度」*6でした。インド本国には恥ずかしながら一度も行ったことがないので似ているかどうかは分かりませんが、少なくとも日本から目隠しをして連れてこられて「ここがインドだ」と目隠しを外すなり言われたら疑いもなく信じると思います(笑)。
そのリトルインディアの真ん中にある激安の殿堂、ムスタファセンターにて。東京だと超本格的インド料理店でしか使っていないような食器類やら、ボリウッドのマサラ・ムービーの中でしか見たことがないドレスとか、はたまた日本では超入手困難な生のカレーリーフ*7とか、インド料理マニア垂涎の代物が当たり前のように売られていて興奮してしまいました。
そして、ホテルに戻ってきた後で訪れたのがこれまた6回目の訪星にして初めてのアートサイエンス・ミュージアム。この時はディズニー・アニメーションの企画展をやっていたのでそちらを見て回りました。貴重な『蒸気船ウィリー』の原画や、『バンビ』ではスケッチのために本当に仔鹿をスタジオに入れて皆で描いたということでその時の写真とか、興味深い展示が多かったです。
ところで、マリーナベイサンズの32階から海側を見下ろした際に見えていた海沿いの謎の施設が気になっていたので、歩いて行ってみたのでした。そこは、様々な説明を総合するとどうやら取水堰だったようです。
取水場の上はかなり広大な広場になっていて、現地の市民の人たちがピクニックしたり凧揚げをしたりして思い思いに楽しんでいました。そう言えばシンガポールは水事情が深刻で*8、確か海水淡水化による給水増を目指しているという記事を読んだことがあるのですが、この施設もそうだったんでしょうか?
ちなみにこの辺はカワウソの生息エリアで、あちこちにカワウソに関する注意書きが立っています。もしかしたら我々も見られるかな?と思って色々歩き回ってみたんですが、ついに見られませんでした*9。
今回の食べ歩き
流石に6回目ともなると初めて食べるシンガポールのご当地料理というのは殆どないのですが、一応適当に写真とともに感想など書いておきます。
元々着いた日の夕食はシンガポールでは食べない予定だった*10んですが、予想に反して直行便で日が出ているうちに着いてしまったので、2年前に職場のチーム全員で行ったGordon RamsayのBread Street Kitchen Singaporeの1階側に入ってみました。特に予約もしないで行ったので15分ぐらい待ったと思います。頼んだのはラムチョップ、シーザーサラダ、エビとアボカドのタルタル。2年前同様美味しかったです。
翌朝の朝食は、嫁さんのたっての希望でマリーナベイサンズのフードコートでシンガポール風ラクサを食べました。意外かもですが、実は6回もシンガポールに行ってるのに現地でラクサを食べるのはこれでまだ3回目だったりします(笑)。
この日のランチはマリーナベイサンズのティムホーワンの点心。東京だと日比谷の店が2時間待ちの大行列とからしいと聞きますが、ここでは1分も待たずに入れます。
ディナーはPalm Beach Seafoodにて。流石にここは人気店なので、日本からChopeで事前に予約して行きました。写真はここでは初めて食べたブラックペッパー・チリクラブ。定番のチリクラブの味とはまた異なるスパイシーさが楽しめる逸品です。
後述のLong Barに行ってきた後で、飲み足りないなということでホテルに戻ってきて飲み食いしたのがロビーにあるAdrift。思った以上にワインの揃えなども良くて満足でした。この小ぶりなハンバーガーもちょうどワインの当てとして良かったです。
再び朝食をマリーナベイサンズのフードコートにて。今度はシンガポール伝統のカヤトーストと卵とコピのセット。コピは例の8年前のポスドク面接の際にDuke-NUSのビルの1階にあるカフェで飲んだことがあったんですが、その時はあまり美味しいと思えず。。。でも今回は美味いと思いました。何が違ったんだろう?
そして昼食はリトルインディアのムスタファセンター向かいにあるAnjapparにて。この時は単に「Google Mapsで評価の高いところにでも適当に入ればいいや」ということで入ってみたんですが、Anjappar Popular Mealsという名のミールスを頼んでみたらこんな感じの超本格派で思わず嫁さんと揃って唸らされました。
タールこそ使っていますがきちんとバナナリーフが敷かれ、野菜カレーが3種類(手前の器3つ)、マトン・チキン・フィッシュカレーそれぞれのグレービー(カレーソース:つまり具は入っていない)、ラッサム、そしてチェティナード・チキン*11、加えてバスマティ・ライスとチャパティというラインナップ。
それぞれ食べてみたところ、ラッサムは予想通りの味、野菜カレーもどれもやさしい味。ところが。。。チェティナード・チキンと3種のグレービーはどれも辛い!超辛い!!! インド料理を趣味にする我が家夫婦でも「これはヤバい」と思うほどの辛さで、僕に至ってはもう顔中汗だくになりながら、バスマティと混ぜながらモリモリ食べていました。
僕は注意を向けていなかったのですが、嫁さんに言わせると「現地のインド人の皆さんはちょうどいい按配のライスとグレービーの混ざり具合になるようにバナナリーフの上で調整して食べていた」そうで、やっぱりこれはよく観察して勉強してくるべきだったなぁと思いました。。。とはいえ、本場の味は強烈でかつ美味しかったです。
思い出の場所に行ってみた
シンガポールをプライベートで訪問して、時間があるなら行かないわけには行かないと思っていたのがここ。あのLong Barです。嫁さんからは「どうせまたエモいムードに浸るつもりなんでしょ」などと嫌味を言われながら行ってみたんですが、結果から書くとそうはならなかったのでした。
実はラッフルズ・ホテル全体が2018〜19年にかけて全面改装工事をしており、Long Barもそれに伴って改装していたのでした。改装成ったLong Barは、まず入口が中庭側から外の通り側に面する方角に90度変更され、いつからあるのか分からなかったウィスキーやスピリッツの置かれたカウンター奥の棚も同じ意匠ながら一新されていたのでした。お馴染みの緑色の傘のかかったランプや天井の団扇型のファンは元の雰囲気を保ったままでしたが、何と言っても以前よりも中が明るくなっていました。
そして何よりも変わっていたのが、メニュー。いつも通りシンガポールスリングを頼んだ際に、ついでにfood menuを下さいと言ったら「もうここにはfood menuはないんです」とのこと。え!?と思ってメニューを読み返したら、フードの欄がないばかりか、4年前にグラスを傾けながら感傷に浸ったラッフルズ・ホテル創立記念シャンパーニュなどの名物メニューも見当たらず、載っているのは申し訳ばかりに「シンガポールスリング以外も一応置いていますよ」的な中途半端なドリンクのラインナップばかり。。。
そう、これは今更書くことではないんですがずっと以前からLong Barではやってくる客のほぼ全員が「ただシンガポールスリングだけを頼んで飲んで帰るだけ」なんですね。それでも改装前はラッフルズ・ホテル随一の名物バーということで一通りのダイニングバーとしてのメニューが揃っていたのですが*12、改装後は表玄関に近いところに別に豪華なダイニングが出来たので、Long Barでは専らシンガポールスリング「だけ」を出すようになったということのようでした。まぁ、そりゃそうですよね。。。どうせシンガポールスリング目当てでしか客が来ないなら、残りのロジは省略してそれだけにした方が効率的なわけですから。
そんなわけで、落花生をボリボリ食べつつ殻を床に投げ捨てながら「嗚呼、Long Barも商業的になっちゃったなぁ」などと嫁さんに愚痴り、僕はシンガポールスリングをストローで吸っていたのでした。4年前の僕にとっては何物にも替え難きシンガポール随一の思い出の場所だったのですが、今後はそういうセンチメントのためにここに来ることはないかな、と思った次第です。。。僕も下らん贅沢を言うようになったなぁ、と言えばそれまでなんですが。
フライトについて
今回は上記の如くビジネスですら格安で飛べるということでキャセイの往復ビジネスを選択したのですが、いざ羽田に行ってみたら自動チェックイン機でエラーが出てチェックインが出来ないという事態に。何だろうと思ってキャセイのカウンターに行ってみたら、係員の人曰く「香港での乗り継ぎ時間が1時間しかないにもかかわらず、羽田出発便が機材の都合で40分遅れており、香港での乗り継ぎは不可能になった」とのこと。
これは困ったなぁと思っていたら「その代わりJALのチャンギ直行便にビジネスの空席があるのでそちらに振り替える」という話になり、まさかのJALのビジネスで飛ぶことになったのでした。おかげさまで、3年前のマウンテンビュー出張以来のフルフラットシートを全3便のフライト*13で満喫させてもらいました(笑)。
面白かったのが、元々キャセイでの予約なので羽田でもキャセイのラウンジを使えたということ*14。よって、羽田・チャンギ・香港の3空港でキャセイのラウンジを利用させてもらえることに。ということで、以下3空港のキャセイのラウンジについて簡単に書いておきます。
まず羽田。国際線ターミナルのラウンジゾーンの最上階にあって眺めが良いです。ここでの注目は全世界のキャセイのラウンジでも名物のヌードルバー、そして羽田の名物のあんみつだと聞いていたので、朝食ながらいきなり豪華なラインナップをば。キャセイと言えば香港、香港と言えばワンタン麺ということでワンタン麺を頼んでみました。
次に帰りのチャンギ。ターミナル4の2階に、プライオリティパスで入れるブロッサム・ラウンジと並んで入っています。ここもヌードルバーがあり、ラクサも頼めます。ということでラクサとワンタン麺を頼みました。ドリンクバーはセルフサービスで、ソフトドリンクでもアルコールでも好きに飲めます。この時は夜21時ぐらいだったので*15、普通にディナーとして飲み食いしてました。
最後に乗り継ぎの香港。セキュリティをくぐった一番手前のゾーンの2階にあります。流石は香港空港の主たるキャセイらしく、非常に広大なラウンジです。勿論ここにもヌードルバーがあり、懲りずに3回目のワンタン麺を頼みました*16。結論から言うと、やはりここ本場香港のワンタン麺が、使っている麺も香港麺ということで一番美味しかったです。餅は餅屋ですねー。
後はおまけ。こちらは行きのJALの機内食*17。もう見たままで、フレンチのコースです。最初に前菜が出て、その後メイン、最後にデザートとコーヒーというメニューです。僕は肉、嫁さんは魚介を選んだんですが、食べ比べてみた感じでは魚介の方が良かったかもです。
こちらは帰りの香港〜羽田のキャセイの機内食*18。本当は他にもフルーツなど出ていたんですが、完全に眠りこけていたのでその辺は全てスキップしてしまい、点心だけ辛うじて貰えたのでした。
余談
ところで。この旅行は1/10-13の日程で行ってきたのですが、皆さんご存知のようにこの時点で例の2019-nCoV(2019年新型コロナウイルス)の感染者が増え始めていて、一部のメディアでは既にそれなりに大きく報じられていたのでした。
そんな最中に帰途香港空港に立ち寄ったのですが、実際には乗り継ぎ時の体温測定(サーモグラフィ使用)以外の検査はされず、またこの時は言うまでもなくまだ中国政府による団体旅行規制やその他の渡航規制なども敷かれておらず、香港空港は過去何度か来た時と同じように賑わっていました。少なくともその時点では、まさか1月末にはこんな状況になっているとは予想していませんでした。ただ、過去に来た時に比べてマスクをしている中国人(香港人)旅行客が多いという印象は持ちました。
僕らも帰国してから既に2週間以上経ちますが、香港空港に滞在したのはわずかに3時間程度&ずっとキャセイのラウンジにいたこともあってか、夫婦揃って一度も高熱が出たこともなければ体調不良になったこともないので多分何事もなかったのでしょう。なので少なくともあの時の香港空港は特に僕らのような旅行客が訪れても問題なかったのではないかと思います。けれども、既に一部専門家が今回の2019-nCoVの流行は遅ければ6月ぐらいまで収束しないという見解を示しているという状況で、次に香港に行けるのは当面先のことになりそうです。。。少しでも早いアウトブレイクの終息を願って已みません。
これはおまけ。羽田に着陸する直前に、機上から撮った羽田のD滑走路です。乗っていたキャセイ便の機体の影が海上に映っているのが印象的でした。
*1:その時は新型コロナウイルスはまだ話題にもなっておらず、むしろ香港の騒乱の方が影響していた感じ。いずれにせよ乗客数激減で客を呼び戻すために超大幅(ひどいと半額以下になるくらい)値下げしていた
*2:なので嫁さんがフライト代を持ち、僕がホテル代と残りの飲食含めた現地滞在費を持つということに
*3:実は上海に行こうという話もあったのですが、羽田から香港を経由すると「経路が鋭角になる」ので「せめて鈍角にしようよ」ということで行き慣れたシンガポールに決めたのでした
*4:折角チャンギを降りてすぐにGrabを開いてクレジットカード情報を更新するくらい気合入れて行ったのに。。。
*5:ついでに書くと現在のシンガポールオフィスも公共交通機関では行きにくいのでGrabを使うしかない
*6:MRTの駅名が漢字表記だと本当にこの通りでびっくりした
*7:実は10年以上前に御徒町の吉池が沖縄で試験栽培していたカレーリーフを試験販売していたことがあるが、なくなってしまって久しい
*8:そもそも分離独立時に仲違いしたマレーシアから水を引いているという状況で安全保障上問題がある
*9:出没するのは朝方らしいので、朝早起きするべきだったのかも
*10:キャセイ便で香港で乗り継いでいく場合はチャンギに着くのが深夜になるので、ビジネスクラスの機内食で済ませるつもりだった
*11:南インド料理では「ご馳走チキンカレー」的な扱いのリッチなカレー
*12:しかも改装前は隣に結構立派なダイニングが別建てで設置されていてそこからフードは運ばれてきていた
*13:実は元々の羽田〜香港のキャセイ便はフルフラットシートではないタイプのビジネスだった
*14:さくらラウンジも使えると言われたが、今回の主目的がキャセイのビジネスを満喫するというものだったので
*16:この時は朝6時前後だったので朝食として
*17:午前11時前発なので昼食
*18:朝食というかブランチ扱い